多くの強みが控え目ボディに フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5TSI 150 Rラインへ試乗

公開 : 2022.07.11 08:25

人気のBセグメント・クロスオーバーに投入された、クーペ風ボディのタイゴ。英国編集部が上級グレードを評価しました。

控えめなボディには多くの強み

フォルクスワーゲンTクロスを若干伸ばし、クーペ風に仕立てたクロスオーバーが、新しいタイゴ。その最上級仕様になるのが、今回試乗した1.5TSI 150 Rラインとなる。

このクラスは人気で、競合モデルも少なくない。スポーティな走りが魅力のフォード・プーマから、彫刻的なスタイリングが目を引くプジョー2008まで、選択肢には事欠かない。だがタイゴは、デザインや走り、ブランド力などで好バランスにあるといえる。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5TSI 150 Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5TSI 150 Rライン(欧州仕様)

多くのフォルクスワーゲンのモデルと同様に、見た目で沢山の視線を集めることはないかもしれない。しかし、その控えめなボディには多くの強みが詰まっている。

ルーフラインはクーペライクに傾斜しているものの、そこまで大胆なフォルムではない。競合するクロスオーバーと比べれば、車内空間や荷室容量は有利だし、インテリアもスマートに仕立てられている。

コンパクトで比較的手頃な価格設定ながら、装備は充実していて、運転支援システムなど最新の技術もしっかり網羅されている。英国では、エンジンのラインナップもライバルより幅が広い。

今回試乗したタイゴはそのトップに位置し、最高出力150psを発揮する1.5L直列4気筒ガソリンターボを搭載。トランスミッションはデュアルクラッチ・オートマティックの7速DSGで、内外がスポーティに仕立てられるRライン・グレードでもある。

もし特別なバンパーやインテリアが必要なければ、英国ではスタイル・グレードも選べる。装備は同等で、同じ1.5LのTSIエンジンが搭載される。

LEDヘッドライトに運転支援など装備も充実

Rラインでもスタイルでも、タイゴにはLEDマトリックス・ヘッドライトが標準装備。駐車を半自動でこなすパークアシストも付いている。衝突被害軽減ブレーキなど、運転支援システムもワンクラス上の機能が実装されており、強みの1つといっていい。

必要ならレベル2に準拠した半自律運転機能、トラベルアシストもオプションで追加できる。高速道路で自律的な走行が可能で、渋滞や車線変更にも対応。速度標識を読み取り、状況に応じて調整もしてくれる。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5TSI 150 Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5TSI 150 Rライン(欧州仕様)

タイゴの装備を並べ出すと、長い一覧ができてしまう。今回はこの辺りにしておこう。

クーペ風クロスオーバーのタイゴは角の取れた性格を持つ、実用性に優れたコンパクトモデルだ。SUVというカテゴリーに該当し、スタイリングもオフロード感が演出されているものの、さほどゴツい見た目ではない。

僅かに持ち上げられた容姿通り、ドライビングポジションも高め。だが、ドアを開いてみても乗り降りしやすい。

車内には大きなタッチモニターなど、デジタル技術も取り入れられている。色使いがモノトーンのインテリアデザインは個性的とはいえないものの、前後の席や荷室は充分に広く、少し高めの視点に惹かれるユーザーも多いはず。

内装の質感は、全長4.2m前後のクロスオーバーとしては平均以上。Rラインということで、さらに通常より仕立てはいい。随所がソフトタッチ加工されており、プラスティックが露出した部分は限定的。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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