EV充電網、拡充への転機か ENECHANGEと「e-Mobility Power」が業務提携 メリットは?

公開 : 2023.02.11 16:17  更新 : 2023.02.11 16:27

6kWの普通充電器の拡充を進める「ENECHANGE(エネチェンジ)」と、国内充電網の最大手「e-Mobility Power」が提携を発表。EVユーザーにどんなメリットがあるの?

EV充電のカードで、ENECHANGEを

執筆:Ohto Yasuhiro(大音安弘)

6kWの普通充電器の充電サービスを提供する「ENECHANGE」は、2023年2月9日、日本最大の充電ネットワークを提供する「e-Mobility Power」との業務提携契約の締結を発表。

都内にて、発表イベントを行い、ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEOとe-Mobility Power四ツ柳尚子代表取締役社長が登壇した。

ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEO(右)と、e-Mobility Power四ツ柳尚子代表取締役社長(左)
ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEO(右)と、e-Mobility Power四ツ柳尚子代表取締役社長(左)

ENECHANGEは、2021年11月より「EV充電エネチェンジ」のサービス名称で、日本全国で6kW出力の普通充電器の設置を行っている。

施設向けに補助金の活用による負担ゼロで導入を可能としたプランなどを展開することで、2022年第4四半期までに、2475台を受注。今年第2四半期までには3000台の受注を目標に掲げるなど、独自の充電ネットワークの拡大を図っている。

現在は、利用者が同社の充電器を使用する際には、専用アプリのみとなっているが、今回の提携により、e-Mobility Powerが連携する充電カードで、ENECHANGEの普通充電器が利用できるようにすることが目的だ。

最大手であるe-Mobility Powerの充電ネットワークに、ENECHANGEの普通充電器が仲間入りすることには、一体どんなメリットがあるのだろうか?

まず、現在の日本の電気自動車用の充電ネットワークについて振り返りたい。

2030年に3万台の目標 現状は?

日本のEV充電インフラは、EVおよびPEHVユーザーの利便性を考慮し、自動車メーカーが主導することで、いずれかの充電カードを所有していれば、利用できる体制作りを行ってきた。

例えば、他社のディーラーでも愛車であるEVの急速充電が利用できるのも、その一例だ。

ENECHANGEの6kW普通充電器
ENECHANGEの6kW普通充電器

その基礎を作り上げた日本充電ネットワーク(NCS)で利用できる急速および普通充電器には、目印として、「ゾウ(チャージスルゾウ)」のキャラクターが描かれたステッカーで判別することができた。

その事業を受け継いだのが、e-Mobility Powerなのだ。

日本の一般利用が可能な最大の充電ネットワークであり、そこにENECHANGEも加わることで、ユーザーの利便性を向上させることができるというわけだ。

さらにe-Mobility Powerは、自社でも充電設備の設置・運営も行っているが、それは高速道路やコンビニなどに設置する急速充電器に限定される。もちろん、EVインフラの基礎となる社会貢献として、利用頻度が少ない場所でも急速充電器の設置を行っており、今後も設置拡大し、政府が掲げる2030年に「急速充電器3万台設置」の実現を目指していきたいとしている。

しかし、設置費用が高額となるため、絶対的な数では普通充電器には敵わないのも事実だ。

そこでe-Mobility Powerでは、前NCSより、提携パートナーの急速・普通充電器にも加わってもらうことで、よりカバー率を高めてきた。

記事に関わった人々

  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

EVの人気画像