6月の新車販売、10か月連続の前年超え 懸念は「材料価格」「物流費」の高騰

公開 : 2023.07.03 20:03

2023年6月の新車販売レポートです。「登録車」「軽」ともに連月の前年比プラス。しかし、懸念事項も見えてきました。

39万2719台を販売 10か月連続のプラスに

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

部品の供給状況を精査しながら「生産工程」や「受注」の調整を進めている日本の自動車メーカー。2023年6月の国内新車販売は、その効果が数字となって示された。

登録車の6月の新車販売台数(速報値)は、前年同月比31.5%増の25万9794台と、6か月連続でのプラス。

「材料および部品の供給状況は着実に改善」しているという自動車業界。懸念は車両価格の値上げという声も。写真はトヨタ・ハリアーの製造ライン。
「材料および部品の供給状況は着実に改善」しているという自動車業界。懸念は車両価格の値上げという声も。写真はトヨタハリアーの製造ライン。    トヨタ

軽自動車の新車販売台数(速報値)は、同2.0%増の13万2925台と、10か月連続でのプラスとなる。

結果として、トータルでの6月の国内新車販売台数は、同19.8%増の「39万2719台」と10か月連続での前年実績超えを達成した。

6月の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「前年6月の新車販売台数が32万7896台と落ち込んでいたこともあり、本年6月は19.8%という2ケタ増を達成した。ただし、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年6月の45万397台にはまだ及んでいない」

「材料および部品の供給不足による生産調整の影響は着実に縮小しているものの、現状の受注残を大きく解消するだけの生産体制の構築は道半ば」と示唆する。

今後については、「生産調整は今後も一部で続く見込みだが、材料および部品の供給状況は着実に改善している。各メーカーが部品の供給状態を精査・注視しながら関係仕入れ先と連携するなど、様々な対策を行っていることも、新車販売の伸びにつながるだろう」

「一方で懸念材料としては、今もなお続く部品の供給不安定や材料価格の高止まり、物流費および輸送費の高騰などが挙げられる。車両価格の度重なる値上げや国民負担率の上昇傾向なども、消費意欲の高まりの面で負の要因になる」と予測した。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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