新型のスズキ・スイフトが、今までのスイフトと“違う路線”なワケ

公開 : 2023.12.06 10:36

スズキが「新型スイフト」を正式発表。これまでと異なるユーザー層も視野に入れたと言います。どう変わったのでしょう?

12/13発売 MT車は来年1/17に

スズキが、コンパクト・ハッチバックのスイフトをフルモデルチェンジした。CVT車は12月13日に、5速MT車は2024年1月17日に発売する。

スズキ・ブランドを牽引するグローバル・コンパクトカーであるスイフト。日本ではハッチバックのみだが、インドではセダン版を「スイフト・ディザイア」という名称で販売している。

新型スイフト・ハイブリッドMZ(216万7000円/クールイエローメタリック/ガンメタリック2トーンルーフ)
新型スイフト・ハイブリッドMZ(216万7000円/クールイエローメタリック/ガンメタリック2トーンルーフ)    山本佳吾

そしてホットモデルである「スイフト・スポーツ」も日本やヨーロッパなどで人気を博しているのはご存じのとおり。これらのモデルも合わせて、発売以来の世界累計販売は約900万台に達している。

新型のボディサイズは、全長3860×全幅1695×全高1500mm(2WD)。ホイールベースは2450mm。

従来型と比べて、全長こそ15mm伸びているが、それ以外のサイズは同じだ。

しかも、フロントウインドウやリアウインドウの傾斜角、ルーフの長さなども、従来型とほとんど変わらない。つまり、シルエットは従来型からほぼ継承されている。

これは、新型スイフトの開発責任者(従来型も担当)である小堀昌雄氏が、デザイナーに対して要請した点であるという。一目見てスイフトと分かるような、スイフトらしいシルエットは踏襲させたかったのだ。

デザイン/内装の変更点は?

一方で、フロントまわりはスイフトのアイデンティティを引き継いでいるものの、ピアノブラック調のグリルやL字型ポジションランプを備えたLEDヘッドランプなどで、より立体的な顔を作り出している。

テールランプにもLEDを採用し、点灯時に車幅がワイドに見えて強い印象を与える。しかも空力特性は従来型より約7%向上させた。

新型スイフト・ハイブリッドMZの前席内装(216万7000円/クールイエローメタリック/ガンメタリック2トーンルーフ)
新型スイフト・ハイブリッドMZの前席内装(216万7000円/クールイエローメタリック/ガンメタリック2トーンルーフ)    山本佳吾

インテリアは、インパネとドアトリムをつなげ、ドライバーとクルマの一体感を強調している。スポーティな非対称デザインのメーター、ドライバー側に8度(従来型は5度)傾けて操作性を向上したセンターダッシュのパネルなど、運転のしやすさも追求。

ラゲッジスペースは荷室開口地上高を10mm低く、荷室開口部高を25mm高くしたので、高さのある荷物も収納しやすくなった。

もちろんリアシートバックは分割可倒式だ。またトレー&前後ドリンクホルダー付きのセンターコンソールやペットボトルホルダー付きフロントドアポケットなど、小物の収納スペースも充実している。

つまり、スイフトらしさは継承しつつ、エクステリアやインテリアなどを変えている。

その背景には何があるのか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

関連テーマ

おすすめ記事