ハンドルセンターがズレたレガシィ 修理結果をどう報告するかが家庭円満につながる
こんにちは、羽鳥鈑金塗装工業所のハトリです。
スバル・レガシィのお客様から車検整備と共に
ハンドルの中心がズレているので
4輪アライメント調整をと承りました。
まずは車検の点検を行い問題はなかったので、車検検査へ。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00001-zw8fure0g9.jpg)
無事に車検にも合格したので、続いて4輪アライメントの準備をします。
お客様曰く、「左後輪を当てたことがある…かもしれない」
とのことでしたので、左リアを重点的に確認すると…
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00002-uyxg3ofk9v.jpg)
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00003-39grxcusy2.jpg)
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00004-vecozmgl52.jpg)
目視しても問題はありませんでした。もっとも、足まわりのアーム類が
見た目に変形している様では相当に酷い状態です。
走行することも不可能でしょう。
目で見ただけでは確認できませんので、センサーを取りつけて
アライメントを測定してみます。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00005-7n64jrbzif.jpg)
4輪アライメントテスターは自動車の4個のタイヤの向きを数値で表し、
不具合があれば調整できる部分は調整し、できないようであれば
足まわりの部品を交換して適正値に戻して、まっすぐ走るようにする
測定診断機です。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00006-o123uhbpg9.jpg)
良いか悪いか、数値に明確にでるのでわかりやすい。
おうおうおうコレは…という数値です。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00007-2kw1jpqrgf.jpg)
表示されている数値はトーが11mmもマイナスです。
すなわち、左リアタイヤが左側に向いてしまっているということ。
これだとクルマをまっすぐ走らせるには、常にハンドルを左に切る必要があります。
この違和感は誰にでもわかるほどだと思います。
ただ、このアライメントで不具合を感じる・感じないには個人差もあります。
しかし、今回のケースは明らかに不具合があり、このまま乗り続けると
タイヤの片減りなども起こってくるので、直した方がいいですね。
この数値、通常なら左リア足まわり総交換で15-20万円ほどの修理になります。
診断→足まわり交換→4輪アライメント測定調整→完成
とスマートに行けばよいが、ここで一つ間違えると、
診断→4輪アライメント→調整不可で部品交換→4輪アライメント測定調整→完成
と4輪アライメントを2回も測定しなければいけなくなります。
しかしその分のコストをお客様には請求できない…と考えれば
いきなり足まわりを総交換した方が早くて確実ですが、
お客様はウチにそんなことは求めていないのです。
このクルマ調整しろがあるなら、調整できるだけやってみよう…
自動車のタイヤの向きは微妙にですが調整できるようになっています。
その範囲の調整で直れば良し、調整しきれないなら部品交換となります。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00008-vwg4pnaic6.jpg)
これが後ろから見た足まわり
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00009-6nq0rbwu12.jpg)
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2023/10/hat1018_00010-eiolcwxsua.jpg)
この足まわりの根元に付いているネジで調整します。
このネジの位置でタイヤの向きを変えることができます。
この部分の調整で無事に数値は適正に戻り、クルマはまっすぐ走るようになりましたが
元の状態では相当な違和感があったと思います。
調整後はとても落ち着いたハンドリングになったこと間違いなしです。
で、この原因は「左後ろのタイヤを何かにぶつけた」からなのですが…
こちらのお客様、いつもご主人がクルマを弊社に持ち込みます。
奥様がこのクルマを運転されるのかは不明です…そこがポイントなんですね。
もし奥様が乗ってぶつけたのだとしたら…という可能性も考えて報告します。
数値的に見れば「何かに大きくぶつけましたね」となるのですが、
コレ、奥様だったとすると、そのままお伝えするとクルマ好きの旦那さんだったりすると
「お前がタイヤぶつけたから、大きく向きが変わっていたってクルマ屋が言ってたぞ!」
とケンカになっちゃう。
だからここは「どなたが当てられたのでしょうか?」と尋ねた上で
旦那さんが「奥さんだ」と言ったときには「何かに当ててズレたみたいですが、
これなら大丈夫、調整範囲で直りました」と軽く濁す程度ですませます。
そうしないと奥様がかわいそうなので…
実際ウチの工場の前で夫婦げんかが始まってしまったことも何度もあります。
そこで、奥様の事故の場合は「最小限」とお伝えし、旦那さんの場合は
「こりゃ派手にイッちゃいましたね〜」と正直に伝えるようにしております。
家庭円満を守るのも、私どもができるカーライフのお手伝いの一つです。
ウソはいけませんが、事故で不安なお客様に安心していただくことが一番ですね。
ところで、今回車検を通してから足まわりの修理に取りかかりましたが、
実際のところ、後輪がこんなにも曲がっていても車検には合格します。
これは違法ではなく、キチンと国土交通省が定めた合格基準はクリアしているのです。
クルマって奥が深いですね…
それをいいことに悪いコトをする輩も多い
わからないだけに奥が深いし闇も深い…
羽鳥鈑金塗装工業所
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