ホンダ 次世代EV「0シリーズ」を2026年投入へ デザインは9割確定?

公開 : 2024.01.10 18:25

・ホンダが新たなEVラインナップを初公開、2026年導入開始。
・低車高でスポーティな「サルーン」の外観は、90%完成?
・デザイン、走る楽しさ、安全性などEV開発を根本的に見直し。

EV開発、根本的に見直し

ホンダは1月10日、米ラスベガスで開幕したCES 2024において、次世代EVラインナップ「Honda 0シリーズ」を発表した。そのコンセプトモデル2車種も披露されている。

2026年に北米をはじめとするグローバル市場へ投入し、日本でも発売する予定だ。セダンタイプの「サルーン(SALOON)」コンセプトに関しては量産化に向けて準備中で、エクステリアデザインが9割固まっているという。

CES 2024で公開された「サルーン(SLOON)」コンセプト
CES 2024で公開された「サルーン(SLOON)」コンセプト    AUTOCAR

ホンダはEV開発に対するアプローチを根本から見直し、デザイン、安全性、コネクテッド技術、走る楽しさ、効率性に重点を置く。新たなラインナップとして0シリーズを展開し、次世代のモビリティに取り組んでいく。

欧州部門であるホンダ・モーター・ヨーロッパの奥田克久社長は、0シリーズについて「既存の前提にとらわれず、ゼロから卓越したプロジェクトを創造する」と述べた。

ホンダは0シリーズにより、「自動車メーカーとしてのホンダの原点に立ち返り、ゼロから新しいEVを創造する」のであり、それが名称の由来とされている。

今回は0シリーズの第1弾として、車高が低く軽快でスマートなサルーンと、SUVとミニバンの要素を融合させたフレキシビリティ重視の「スペースハブ(SPACE-HUB)」の2車種が披露された。スペースハブの量産化は未定だが、同様のコンセプトを持つSUVが投入予定だ。

「サルーン」が目指す機能美

ホンダのデザインを統括する南俊叙常務取締役は、量産化にあたってサルーンは「90%この外観を維持する」としたが、ガルウィングドアのような奇抜な特徴は採用されないと述べた。

南氏によると、フロントエンドの高解像度デジタル・ディスプレイも市販車に導入される可能性があり、現在は「何を表示するのが良いか」を評価中だという。

Honda 0シリーズ第1段となる「サルーン(SLOON)」コンセプト
Honda 0シリーズ第1段となる「サルーン(SLOON)」コンセプト    ホンダ

また、車名に関してはe:NY1のような数字やアルファベットの組み合わせではなくなるかもしれない。「そこは現在考えているところであり、難しいところでもあります」

ホンダの現行モデルのデザインから一線を画しているのは、すべて「0から出発」するためだと南氏は言う。「人間中心の視点からデザインを再考し、たどり着いたのがこれです」

サルーンは低車高でスポーティなシルエットだが、スポーツモデルとして構想されたわけではないという。

「究極の機能美を目指した結果、このスポーティなデザインにたどり着きました。室内空間を拡大しながらスポーティにするのは難しいことですが、わたし達はそこを追求しています」

南氏はサルーンを形作るにあたって、過去のモデルからインスピレーションを求めることはなかったと言う。このデザインの根底にあるのは「究極の機能美」であり、「特にこの形を目指しているわけではありません。エモーショナルでありながらも、機能に沿った形を作り出そうとしているのです」と述べている。

エクステリアはほぼ市販車に近い状態だというが、インテリアは「ショーファーカーに近い」とのこと。サルーンのインテリアデザインは後日公開される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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