次世代GT-R、2030年までの量産化「可能」 日産の夢 ハイパーフォース実現か

公開 : 2024.01.09 06:05

・昨年発表された日産のコンセプトカー、ハイパーフォースは2030年までに「量産可能」。
・日産の「明晰な夢」であり、単なるファンタジーではないとデザイン責任者は語る。
・次世代GT-Rとして期待できる?

単なる空想ではない

日産のハイパーフォース・コンセプトは、次世代GT-Rの実現に向けた「明晰な夢」とされている。

日産のプログラム・デザイン・ディレクターであるジオバーニ・アローバ氏は、昨年10月のジャパン・モビリティショーで公開された(ハイパーフォース含む)4台のコンセプトカーを手がけた人物。大胆なデザインであるが、彼は本誌の取材に対し、ハイパーフォースは2030年以前にほぼ量産化が可能だと語った。

ハイパーフォースのフロントのロゴ(赤いバッジ)は意図的にぼかされている。
ハイパーフォースのフロントのロゴ(赤いバッジ)は意図的にぼかされている。    日産

「形状、プロポーション、スタンスは単なる空想に基づいているわけではありません。かなり大胆ですが、2020年代末までには実現可能な夢です」

ハイパーフォースは四輪駆動で、最高出力1360ps、日産が2028年の量産化を目指して開発中の全固体電池を搭載している。革新的な全固体電池の市販導入としては、ハイエンドモデルのGT-Rがふさわしいだろう。

ハイパーフォースのフロントエンドのロゴは意図的にぼかされており、公式には「GT-R」とは明言されていない。果たしてこのコンセプトは次世代GT-Rを指しているのかどうか、そのことを尋ねると、アローバ氏は「その可能性を垣間見せるもの」であり、実現に向けて「夢はまだ明晰だ」と答えた。

また、日産社内にとってハイパーフォースは「具体的な夢をもって会社を鼓舞するマニフェストにもなった」という。

アローバ氏は、コンセプトに対するフィードバックは概ねポジティブなものであったが、「電動スーパーカーではなく、ICE(内燃エンジン)にすべきだという声もあった」と明かした。しかし、次世代の自動車購入者はGT-Rの電動化に対して「かなりポジティブ」な反応を示しているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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