見た目を裏切らない! ボルクヴァルト・イザベラ・コンビ 雰囲気と裏腹な? モーリス・オックスフォード・トラベラー(2)

公開 : 2024.07.07 17:46

1950年代に成長を遂げたステーションワゴン市場 支持拡大へ貢献したイザベラ・コンビとオックスフォード・トラベラー 好対照な見た目 完成度の高い走り 英編集部が70年前の2台を振り返る

整った見た目を裏切らない走り

グレートブリテン島の西部、コッツウォルズ地方に広がる穏やかな田舎道を、ボルクヴァルト・イザベラ・コンビは颯爽と走る。初代オーナーも楽しんだであろう、その印象は、整った見た目を裏切らない。

スターターボタンを押すと、柔らかいエンジン音が車内へ届く。サイドブレーキ・レバーを引き、ストロークの長いコラムシフトレバーを持ち上げ1速へ入れる。ウインドウの位置が高く、クルマへ身を委ねているような感覚が強い。

ボルクヴァルト・イザベラ・コンビ(1954〜1961年/英国仕様)
ボルクヴァルト・イザベラ・コンビ(1954〜1961年/英国仕様)

発進から滑らかで好印象。低回転域でもトルクは太いが、1.5L 4気筒エンジンは個性が薄い。シフトレバーは曖昧で、丁寧な操作が求められる。

フラットなベンチシートは、横方向には身体を支えてくれない。アイボリーで細身のステアリングホイールは、いかにも1950年代らしい。ダイレクトに反応するものの、切り始めの遊びは多い。

それでも、70年前のファミリー・ステーションワゴンであることを考えると、完成度は感心するほど高い。乗り心地はしなやかだが、うねるような路面で浮足立つことはない。速度を上げても、姿勢制御がおぼつかなくなることもない。

コーナーの途中で、わざとアクセルペダルを緩めると、僅かにテールが流れた。しかし、すぐに落ち着きを取り戻す。平穏に長距離を走れそうだ。

好対照な容姿のオックスフォード・トラベラー

モーリス・オックスフォード・トラベラーのスタイリングは好対照。ツートーンのボディは、1950年代のニューヨークの景色へ溶け込めるに違いない。

1958年の新車価格は、オプションの塗装代込みで1011ポンド。安いクルマとはいえなかったが、輸入税が課されたイザベラ・コンビより、英国ではお手頃だった。その440ポンドを抜くと、価格は大きく逆転するが。

モーリス・オックスフォード・トラベラー・シリーズIV(1957〜1960年/英国仕様)
モーリス・オックスフォード・トラベラー・シリーズIV(1957〜1960年/英国仕様)

初代モーリス・オックスフォードの登場は、1913年に遡る。トラベラーはシリーズIVの派生版で、1954年のシリーズII サルーンがベースにある。

オックスフォード・トラベラーのエンジンは、シリーズIIと同じ、オーバーヘッドバルブの1.5L Bシリーズ・ユニット。オースチンとモーリスは、1952年にブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)の傘下へ入っており、当然の選択だった。

ボディ構造は、サルーンと同様にシャシーと一体のモノコック。サスペンションは、フロントがトーションバースプリングによる独立懸架式。リアは、リジットアクスルにリーフスプリングというコンベンショナルな構成だ。

ステーションワゴンのトラベラーは、木製ボディパネルを採用したウッディワゴンとして、シリーズIIの時代に登場。シリーズIII以降は、オプションでツートーン塗装が設定された。

オックスフォード・シリーズIVへバトンタッチしたのは1957年。強度や重さ、耐久性などを理由に、トラベラーのボディはスチール製へ変更された。4速のトランスミッションは、当初コラムシフトだったが、1958年式にフロアシフトへ改められている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ボルクヴァルト・イザベラ・コンビ モーリス・オックスフォード・トラベラーの前後関係

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