メルセデス・ベンツB220 CDI AMGライン

公開 : 2015.03.05 23:40  更新 : 2017.05.13 12:50

フォルクスワーゲンBMWのライバルに向けて放たれた最新のBクラス。なかでも最上級グレードたるAMGラインを試し、フェイスリフトが有効であったかを判定する。

■どんなクルマ?

遡ること10年前、BクラスはプレミアムMPVとしての圧倒的な実力をもって、フォルクスワーゲン・ゴルフ・プラスをものともせぬ勢いで同クラスを席巻した。

しかしながら2014年にBMWがBMW2シリーズ・アクティブ・ツアラーを市場に投入してから、それまでの情勢が変わりつつあった。

そこでメルセデス・ベンツはBクラスのフェイスリフトを決意。エンジンの改良やバンパーの意匠変更、キャビンの質感向上や新しい仕掛けの追加などが主だった内容である。

今回のテストに供したのはAMGラインの名前をもつモデル。ノーズ部にはラインナップ中もっともパワフルなディーゼル・エンジンをおさめている。

如何にしてBMWのトップ・グレードである220dアクティブ・ツアラーMスポーツとの戦いを繰り広げるのだろうか?早速見てみよう。

■どんな感じ?

新しいデザインのフロントとリアのバンパーやグリル、ヘッドライトに一体化されたデイライトなど、見た目は先代より勇ましい印象をもたらしている。

そのうえAMGラインであることから、他の現行Bクラスのバンパー形状に比べると、彫りが深く筋肉質に感じられる。サイド・スポイラーや18インチ・アロイ・ホイールの影響も大きいようだ。

たとえばB180 CDIの排気量が1.5ℓだったりと、メルセデスのネーミングには混乱させられることもあるが、ことB220 CDIにおいては、その名の通り177psと35.6kg-mを発揮する2.2ℓユニットを搭載している。

出力の数値こそ、穏やかな上昇に留められている一方、CO2排出量は111g/kmまで軽減され、複合サイクル燃費も23.8km/ℓ(公表値)をマークしている。トランスミッションは7速デュアル・クラッチATのみとなる。

ドライブトレインはAMGラインを謳うだけあり、十分なペースを保ってくれる。0-100km/hタイムも8.3秒をマークし、最高速度もMPVらしからぬ224km/hに到達する。

また最大トルクは1400rpmから湧き上がるため、追い越し加速にも怯える必要はない。

しかし残念ながらパフォーマンスの良好さほど、リファインが及んでいない。プッシュしていけばエンジンは盛大にノイズを発生するし、アイドリング・マナーもお世辞にも洗練されているとは言い難い。

アイドリング・ストップ・システムも同様。信号停車の度にぶるりと身震いし、信号が青になれば再び身震いといった具合で乗客の体は揺さぶられることになる。

ならば、アイドリング・ストップ・システムをオフにしたらどうか? と思い即座にオフに。すると途端にエンジン起因のバイブレーションがペダルやステアリングを介して伝わってくる。

トランスミッションも、なめらかさに欠ける。静止から加速を試みた際も、アクセス・ペダルを踏んでも実際に加速度が与えられるまでに ’時差’ を感じる。

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