実用性重視のモノフォルム メルセデス・ベンツ B 200dへ試乗 小変更で魅力向上

公開 : 2023.08.18 08:25

日本では根強い人気を誇るモノフォルムのBクラス。マイナーチェンジを受けた200dを、英国編集部が評価しました。

モノフォルム・ボディの真っ当なMPV

昨今の欧州では、バッテリーEVやクロスオーバーに話題が集まりがち。それでも、背が高めのモノフォルム・ボディを持つメルセデス・ベンツBクラスも、淡々と売れている。

200dの場合はディーゼルターボ・エンジンを積み、ハイブリッド化されてもいない。確かに時代の流れには乗れていないかもしれないが、実は継続してラインナップされているだけの特長が少なくない。

メルセデス・ベンツ B 200d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツ B 200d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

このBクラスは、最近フェイスリフトを受けた。スタイリングに手が加えられ、装備が見直され、英国仕様の場合はパワートレインの選択肢が絞られている。もちろん、ハッチバックのAクラスと同じプラットフォームの上に成り立っていることへ、変わりはない。

Bクラス最大の強みといえるのが、Aクラスと同じ全長4419mmのボディサイズながら、全高を1562mmへ増やし実用性を拡張していること。ドアを開くと、上下方向にゆとりのある空間が広がる。

メルセデス・ベンツは、ウェブサイトでスポーツツアラーという表現を用いて紹介しているが、真っ当なMPVだといえる。ただし、3列シートは設定されていない。2列シートで定員は5名となる。

荷室も広い。リアシートは折りたたむことが可能で、さらに容量を広げることも可能。ワゴンボディのTクラス(シタン)ほど、積載量はないけれど。

最新版のMBUXシステムとステアリングを獲得

見た目のリフレッシュは限定的。ヘッドライトやバンパーのデザインが新しくなっているものの、新旧を並べなければ、変化に気づかないという人もいらっしゃるだろう。この手のモデルをお考えの場合、スタイリングは最優先される項目ではないと思う。

インテリアにも改良が施された。なかでも、今回のフェイスリフトで1番大きな変化といえるのが、メルセデス・ベンツ最新版のMBUXインフォテインメント・システムを獲得したことだろう。

メルセデス・ベンツ B 200d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツ B 200d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

試乗車はAMGライン・プレミアムプラスというグレードだったが、ダッシュボード上には10.25インチのモニターが2面並ぶパネルが据えられ、見た目は精悍。ステアリングホイールは、ツインスポークの新しいマルチファンクション・タイプが与えられている。

インフォテインメント・システムのアップデートにより、従来までセンターコンソールにあったタッチパッドは姿を消した。とはいえタッチモニターの反応は良好で、ステアリングホイール上のコントローラーを介し、手もとで殆どの機能を操作できる。

運転中など、指での操作が難しい場合は、音声操作機能も利用は可能。豪奢な内装の仕立ては、クラス最高水準といえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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