こんな特別仕様車は嫌だ! 「メーカー都合」? ムリある特別モデルに疑問

公開 : 2017.07.02 07:10

いまや、あらゆるメーカーから「特別仕様車」が出ていますが、果たしてありがたみを感じているのは、顧客のほう? それともメーカー? 英国編集部が物申します。

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

 

誰のための「特別仕様車」なのか?

ヒュンダイの世界戦略SUVであるコナに、アイアンマン・エディションという仕様が制作された。韓国で開催された国際発表会の会場に、それは置かれていた。

デザイン改修の提案といった展示車の一群の中でもひときわ目を引く、マットグレーのペイントと大型化したバンパー、そしてアイアンマンを図案化したオーナメントが中央にあしらわれたホイールでそれと知れた。

あぁ。

このセンターキャップと凝りすぎたホイールは、好き嫌いがハッキリ分かれそうだ。

 

はたして、コンパクトSUVの顧客層に、アメコミのキャラクター好きで、そのイメージを反映したクルマが欲しいというユーザーがどれほどいるのかはわからない。ただし、この手のコラボモデルに期待する以上の雰囲気が、このクルマにはたしかにあった。

とにかく、日産ローグに設定されたスターウォーズ仕様よりはだいぶマシだ。英国や日本ではXトレイルとして販売されるこのクルマだが、その北米仕様の車名に、「ローグ・ワン」という映画のタイトルとの共通項があるという安易な理由で成立した特別仕様車だ。

スターウォーズ仕様のローグは、ドリンクホルダーに憎み合う敵味方のエンブレムが仲良く並ぶ。

 

その成立の経緯と同じく、内容にもたいした工夫はないクルマだ。サイドシルやカップホルダーに、劇中に登場する軍隊のエンブレムがあしらわれる程度に変更点は留まるのだから。

そうそう、キャラクターを模したヘルメットも付いてくるのを忘れていた。どうでもいいけれど。

コラボのテーマは、フィクションの世界ばかりではない。レースドライバーの名前を引っ張り出すのも、多くのメーカーが好む手法だ。

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