ランボルギーニのカーボン・タブ修復師の苦悩 ボーイングの技術使用 世界に6拠点

公開 : 2017.02.19 16:00  更新 : 2017.07.01 12:51

ランボルギーニアヴェンタドールにとって、カーボン・タブは何より大切だ。それだけにダメージが加わると大変。これを修復する職人がいる。修復には航空宇宙工学の技術が関係しているのだそうだ。

アヴェンタドールのモノコック修復のスペシャリスト集団  ‘コンポジット・リペア・フライング・ケーシズ’

350km/hだすことのできるスーパーカーがクラッシュしたとしよう。ランボルギーニ・アヴェンタドールのように、モノコックがカーボンファイバー製だと、ご想像どおり、ダメージの修復は簡単ではない。

しかし、特殊な作業を請け負う会社が存在する。

その名も ‘コンポジット・リペア・フライング・ケーシズ’。職人はイタリア人が多く、ファクトリーは主要マーケットの近くに6拠点ある。主な顧客は中東とアジアに絞られるのだという。

カーボン・タブのダメージ、どう見分ける? 職人になるには?

カーボンファイバーを作るのはむずかしい。そしてコストが掛かる。作るのがむずかしいということは、直すのもむずかしいし、当然コストも掛かる。

‘コンポジット・リペア・フライング・ケーシズ’ の職人のひとりは「緊張感による精神的なストレスも忘れてはなりません」と話してくれた。

作業をする前の診断用に、ISO規格のシステムをランボルギーニは設計。まずはダメージを調べるのだという。これをもとに、修復メニューを割りだす。

実際の作業に入る前に、同じようにダメージを受けたパーツを作成。これを修復して問題がなければ、実物の修復に移るのだそうだ。

職人になるにはボーイング社でトレーニングを受ける必要がある。飛行機に用いられるカーボン・パーツの修復プロセスとアヴェンタドールの修復には似通ったところがあるからだ。

トレーニングを受けるだけではなく、きちんと試験にパスし ‘フライング・ドクター’ という肩書きを得なければ、実際にアヴェンタドールを修復することはできない。


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