【ヤリスとガチンコ】新型フィット ここちよさ、突き詰めると? ホンダの提言

公開 : 2020.02.13 07:38  更新 : 2021.10.11 09:29

クルマの「ここちよさ」ってなんだろう。ヒトの研究を重ねた新型フィットと企画展を例に、解明しましょう。五感に基づく「ここちよさ」がキーワードです。

“感性の部分”を追求

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

クルマの大きさや性能は“数値”として比較でき、パワーフィーリングや操縦安定性もある程度までデータで表すことができる。一方で、キャビンの視界や解放感については、数値化できない“感覚的な”領域といえた。

長年にわたって新型車を開発しているホンダは、ヒトの視点に立って居住性を重視してきた。新型フィットの発売にあわせ、その成果が披露されている。

ここちよさ展に展示されているホンダ新型フィット
ここちよさ展に展示されているホンダ新型フィット

数字だけでは表せない人間が持つ感性を追求してゆくと、「ここちよさ」というキーワードにたどりついたホンダ。

解析するとヒトの五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)に突き当たった。

新型フィットでは「これからのコンパクトカーに4つの心地よさを」という言葉をテーマに開発したという。その4つとは以下のとおりである。

・心地よい視界であること
・座り心地がよいこと
・乗り心地がよいこと
・使い心地がよいこと

開発に際しては、暮らしの質が上がったような満足が考えられる1台を目指したのだ。

新型フィット どんな内装?

シートの座り心地やフランス車を思わせる包み込まれる感触。ドアトリムの感触も、コンパクトカーとは思えぬ上質さが感じられる。

車内を見てゆくと、ダッシュ両端に設けられたドリンクホルダーやバッグが置けるセンターコンソール、豊富な収納スペースなど使い勝手を突き詰めていることが分かる。

新型フィットの前列
新型フィットの前列

前席のバックレスト上部にはスマホを入れておくのにちょうど良いポケットが備わることからも、細部まで徹底的に作り込まれていることが見て取れる。

フラットにできる

また後席のシートバックは6:4の可倒式。座面が床部に収まりフラットな荷室になるダブルフォールディング式であることは見逃せない。

今ではコスト優先で採用されづらくなった機構だが、コンパクトカーながら採用するところにホンダの本気さが感じられる。

座面が床部に収まる後席
座面が床部に収まる後席

こうした「ここちよさ」を五感で探る体感イベント「ここちよさ展」(ホンダウエルカムプラザ青山で開催中)では、新型フィットに採り入れられた「ここちよさ」をもとに、様々な写真、音、香り、素材を実際に体験できる。

“触り心地”にも拘る

自分だけにとっての心地よいものを選んでいけば、その結果をもとに“潜在的に感じている気分”を具体化し、心地よい暮らしのヒントを提案してくれるイベントなのだ。

報道向けに開かれた取材会では、本田技術研究所 オートモービルセンター 新型フィット・カラー・マテリアル・フィニッシャー・デザイナーの落合愛弓さんと、本田技研工業ブランド・コミュニケーション本部 広報部の坂 実沙子さんが登壇。企画展とフィット開発のコンセプトに加えて、裏話を紹介した。

新型フィット・カラー・マテリアル・フィニッシャー・デザイナーの落合愛弓さん
新型フィット・カラー・マテリアル・フィニッシャー・デザイナーの落合愛弓さん

「今回のフィットのコンセプトは心地よさなのです。普段クルマに関心のない方にこそ興味を持ってもらおうと考えました。開発責任者から『今度のフィットはヒト研究の成果を活かしたのと、触り心地に拘った』という話を聞き、そこがヒントになってこの企画展を考えました」と坂さん。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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