【日本のセレブ専用サーキット】なぜ房総半島ばかり? ポルシェに次いでフェラーリやランボも その理由は

公開 : 2020.08.18 05:50  更新 : 2020.08.18 07:51

「コーンズ」が、千葉県南房総市に「ザ・マガリガワ・クラブ(THE MAGARIGAWA CLUB)」を開業するというニュースが注目されました。他ブランドも千葉県房総半島にサーキットを建設中。なぜ千葉なのか、考えます。

ほかに類のないコースレイアウト

text:Kenji Momota(桃田健史)

「またしても房総半島に建設されるのか?」。そう思った自動車業界関係者が多かったのではないだろうか。

コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド(以下、コーンズ)は2020年8月12日、会員制ドライビングクラブ「ザ・マガリガワ・クラブ(THE MAGARIGAWA CLUB)」(千葉県南房総市)を2022年末までに開業すると発表した。すでに着工済みだという。

コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが取り扱うブランドの1つ「ランボルギーニ」
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが取り扱うブランドの1つ「ランボルギーニ」    AUTOCAR英国編集部

コーンズといえば、1976年にフェラーリの日本総代理店となり、ロールス・ロイスベントレーも手掛け、2013年にはランボルギーニの販売代理店になるなど、言わずと知れた、日本におけるハイエンドブランド車販売の大御所である。

そんなコーンズによる、ドライビングクラブ。房総半島の山中に全長3.5kmのロードコースを建設する。

全長3.5kmというと、鈴鹿サーキットの5.8kmや富士スピードウェイの4.6km比べると短い。

筑波サーキットの2.0kmや同じく千葉県内にある袖ケ浦フォレストレースウェイの2.4kmと比べると長い。

ちょうど、スポーツランド菅生が3.6kmと「ザ・マガリガワ・クラブ」コースに近いが、標高差が菅生が70mに対してその3倍以上の250m、最大勾配も菅生の10%に対して上り勾配20%、下り勾配16%という数値が目立つ。コーナー数は22、直線路800mにおよぶ。

世界各地のF1サーキットを設計した名門が担う、「どのサーキットにも似ていないコースを持つ、世界に唯一のドライビングクラブ」という触れ込みだ。

ポルシェは2021年に木更津に開設

ザ・マガリガワ・クラブの専用ウェブサイトには、フェラーリ、ロールス・ロイス、ベントレー、ランボルギーニの各モデルが未舗装路を走り抜け、施設の起工式に向かう動画が収められている。

また、富士スピードウェイで開催実績のあるドライビングレッスンの模様をイメージとして、プロレーサーがサポートするマガリガワ・アカデミー開設についても説明がある。

ポルシェ・エクスペリエンスセンター
ポルシェ・エクスペリエンスセンター    ポルシェ

こうした内容を見て、ポルシェジャパンが2021年に開業予定の「ポルシェ・エクスペリエンスセンター」を思い浮かべた方も多いはずだ。

米ジョージア州アトランタを皮切りに世界各地で開設しており、ついに日本にも上陸する。

施設の詳細について現時点では公表されていないが、海外事例を見ると複数のコースが併存しており、ザ・マガリガワ・クラブとは趣きが少し違うように思える。

ただし、その場所は千葉県木更津市であり、同じく房総半島なのである。

前出の袖ケ浦フォレストレースウェイは、自動車メーカーが報道陣向けに新型車のサーキット試乗会で使用する場合がある。

また、セレブ向けだけではなく、EVレースやプライベート走行会にも使われる。こちらも場所は房総半島にある。

フェラーリやポルシェ、世界を代表するプレミアムブランドのオーナーを対象としたサーキットが、なぜ房総半島に集中するのだろうか?

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