【第3のアストンらしさ】アストン マーティンDBXへ試乗 メルセデスAMG製V8搭載 前編

公開 : 2020.08.21 10:20

アストン マーティン初となるSUVがメルセデスAMG製V8を搭載したDBX。期せずして新CEOへ就任したのも、メルセデスAMGの元トップです。アンディ・パーマーが残したDBXはアストンらしさを備えているのか、英国編集部が確かめました。

もくじ

新CEOはもとメルセデスAMGのトップ
最も重要な位置づけとなるDBX
ブランドの過去にないほど複雑なモデル

新CEOはもとメルセデスAMGのトップ

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アストン マーティンDB9以来の、重要な意味を持っていたのがDB11。そのDB11以来となる重要なモデルがDBXだ。もっとも、DB9も、DB7に続く重要なモデルではあったのだが。

アストン マーティンというブランドが登場してから、1世紀が過ぎた。その後半、新しいモデルが登場するたびに、「最も重要な」という言葉が用いられてきたように思う。

アストン マーティンDBX(欧州仕様)
アストン マーティンDBX(欧州仕様)

資金を稼ぐために、ボディを載せ替えただけのようなクルマも中には存在したが、何台かの素晴らしいアストンが誕生してきた。2015年に発表された、セカンド・センチュリー・プランでは、モデルを一新する戦略が立てられていた。

会長でありCEOだった、アンディ・パーマーの指揮のもと発表されたプランでは、7台の主要モデルを計画。毎年1台を新モデルへ置き換えることで株式を安定化させつつ、キャッシュフローを後押しするスペシャル・モデルも盛り込まれていた。

しかし、アンディ・パーマーが重要なマイルストーンと呼んだプランは、徐々に重荷へと変化していったようだ。アストン マーティンでなくても、誰もが現代を予見することは難しかっただろう。

中国市場では、販売が急速に低迷。世界的なコロナウイルスの流行も手強い。DBSスーパーレッジェーラとヴァンテージ、DB11は、デザインの差別化で弱いようだ。新しい投資家も、必要となっている状況といえる。

最も重要な位置づけとなるDBX

立て直しが迫られる中で、アンディ・パーマーは退任。8月1日、もとメルセデスAMGのボス、トビアス・ムアースがCEOの立場を引き継ぐことになった。彼はアストン マーティンのゲイドン本社を、まったく知らないわけではない人物だ。

今回試乗するのは、今のアストン マーティンで最も重要なDBX。ドイツ人のリーダーシップの中で、いよいよ英国の一般道を走る。だが、間違いなくアンディ・パーマー時代のモデルだといえる。

アストン マーティンDBX(欧州仕様)
アストン マーティンDBX(欧州仕様)

アストン マーティン規模の自動車メーカーにとって、相当に大胆な挑戦で生まれたクルマであることは間違いない。新しいセグメントへの、新モデル。プラットフォームも新しく、工場も新しい、初の7シーターSUVだ。

搭載するエンジンは、新しいボスゆかりのメルセデスAMG由来となる、4.0L V8ツインターボ・ガソリン。最高出力は549psを発揮する。ハイブリッド化したV6エンジンも、開発中となっている。

V8エンジンは、アストン マーティン製の新プラットフォームのフロントに収まる。搭載位置は、ボンネットの後方下側に、可能な限り寄せてある。その結果、前後の重量配分は54:46と良好だ。

基本的には後輪のみを駆動するが、滑りやすい条件では四輪駆動へ切り替わる。トランスミッションは、9速ATとなる。

DBXは写真で見るよりボディが大きい。全長は5039mmもあり、レンジローバーより40mmも長い。全幅はほぼ同値の1998mm。そのかわり全高は1869mmに対し1680mmと、頭一つ低い。

関連テーマ

人気テーマ

 
最新試乗記

人気記事