【大型SUVもPHEV化】メルセデス・ベンツGLE 350deへ試乗 EVモード航続距離98km

公開 : 2020.11.23 10:20  更新 : 2021.07.27 14:51

プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の導入を積極的に進めるメルセデス・ベンツ。大型のGLEにも搭載されました。PHEVとしては大容量のバッテリーを搭載し、EVモードで98kmの航続距離を実現。英国編集部が評価しました。

バッテリーはPHEVとして大容量な31.2kWh

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデス・ベンツはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を搭載したモデルの導入を急いでいる。今回登場したのは大きなSUV、GLE 350de 4マティックだ。

現在メルセデス・ベンツが展開するSUVは、10車種もある。その中で、通常のワゴンボディのGLEとGLEクーペとは、ボディサイズでかなり上位に位置する。これより大きいSUVは、本当に大きいGLSと、本格派のGクラスだけとなる。

メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティックAMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティックAMGライン・プレミアム(英国仕様)

GLEのボディは大きいものの、荷室の床下にプラグイン・ハイブリッドとしては大容量な31.2kWhというバッテリーを搭載するため、 350deの定員は5名。従来的なエンジン・モデルでは、7シーターとなるのだが。スタイリング的には、通常のエンジン版GLEと目立った違いはない。

バッテリーの電気で135psのモーターが、194psの2.0L 4気筒ディーゼルエンジンをアシストしてくれる。駆動方式は、4マティックだから四輪駆動となる。

EVモードでの航続距離は、大きなバッテリー容量を活かして、98kmもある。かなり実用的な距離といっていい。少し肌寒い、曇りがちな天気での試乗だったが、実際に95km程度を走ることができた。

バッテリーは、最大22kWの容量の充電器にまで対応。最短1時間で、空になったバッテリーを満充電にできる。日常的な距離なら、純EVとして乗ることもできるだろう。

SUVの魅力を追加するPHEVの能力

この航続距離や充電時間は、GLEのような大型SUVの魅力を追加してくれる能力の1つといえる。仕事先や自宅のガレージで、乗らない時間帯に充電できる。週末には、ファミリーカーとしてエネルギッシュに走り回れる。

最大牽引重量は2700kg。馬を乗せたトレーラーも不満なく引っ張れる。それでいて、CO2の排出量は29g/kmしかない。

メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティックAMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティックAMGライン・プレミアム(英国仕様)

電気モーターとディーゼルエンジンのドライブトレインは、とても滑らかに、シームレスに働く。EVモードから、目的地に着いたらEVモードで走れるようにバッテリーを温存するモードまで、複数のドライブ・モードが用意されている。

通常選ぶであろうハイブリッド・モードやEVモードでは、ステアリングホイールのパドルを弾いて、回生ブレーキの効きの強さを調整できる。惰性走行を許すかなり穏やかな効きから、ブレーキングと感じる強い減速まで、振り幅は大きい。

ただし、回生ブレーキの効きを強くしても、低速域では従来のオートマティック車のようにクリープ走行を許す。アクセルペダルのオン・オフで発進から停止までを行える、完全なワンペダル・ドライブはできない。

このドライブモードの扱い方さえ覚えてしまえば、350deもそれ以外のGLEと同様に運転できる。自宅などでバッテリーを充電する、ということを除いて。

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