【オプション少ない素のカレラ】ポルシェ911カレラ(1) グリーンの992型 長期テスト

公開 : 2020.11.23 11:50

992型へと生まれ変わったポルシェ911。初代に通じる純粋さを残し、50年もの歴史を備える、最も有名なスポーツカーの1台です。最新のポルシェは、最良なのか。素の911カレラを通じて、その魅力を探ります。

もくじ

初回 それぞれに思いを描くポルシェ911
約1万kmを後にしても新車時のように良い
装備するオプションは最小限
セカンドオピニオン
テストデータ

初回 それぞれに思いを描くポルシェ911

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になって、しばらくが経つ。同僚のベン・サマーレルにも、いつもお願いしていたカメラマンのオルガン・コーダルとも、久しく会っていなかった。

ある秋口の、天気のいい日。筆者がポルシェ911に乗って到着すると、いつものメンバーがオックスフォードシャーの駐車場で、わずかに会話を交わしていた。

ポルシェ911カレラ(英国仕様)
ポルシェ911カレラ(英国仕様)

オルガンが、リアのエンジンカバーを見て指摘する。中央のブレーキライトを挟んで、左右に縦9本のフィンが付いている。そして中央のブレーキライトは、縦に2本。911をモチーフにしているようだ、と。

筆者は、リアバンパーの立体的なポルシェのエンブレムに見入っていた。水平に伸びるテールライトとの一体感が、素晴らしい。

ベンは、ボディサイズが大きくなったことで、プロポーションが改善されただけでなく、見た目も良くなっていると話す。ボディを軽くなでながら。

しばらくマニアックな話を楽しんで、写真撮影のために走り出す。アクセルペダルを踏み込むと、思わず笑顔になる。

この駐車場は定番の撮影場所。撮影が始まるまでに、長く話し込むことは珍しい。スタッフ誰もが、事前に詳しい情報を知っていることも珍しい。それが、ポルシェ911だ。

特別でもあり、いい意味で、いつものクルマ。自動車好きの全員が好き、というわけではないだろう。でも、誰もが尊重し、それぞれに思いを描くモデルだと思う。

約1万kmを後にしても新車時のように良い

ポルシェのファンは、911にかなり詳しい。その特徴を強く理解している。代替わりするたびに成長を続けているが、クルマが目指すところは、いつも明確で変わらない。

最新の992型が発表されたのは2018年。発売は2019年初頭で、新鮮味は薄れつつある。筆者も、992型とは何度も会っている。911との時間は常に特別なものだが、それもいつものことだ。

ポルシェ911カレラ(英国仕様)
ポルシェ911カレラ(英国仕様)

長期テスト車両としてやってきた992型の911は、数多くある派生モデルの原型となる、ノーマルのカレラ。アベンチュリン・グリーンの上品なカラーで、1年ほどプレス用車両として活躍してきたクルマ。

これまで約9600kmの距離を重ねている。多くの自動車メディアに登場し、AUTOCARでも一度試乗している。

自宅付近まで別のスタッフが乗り付けてきて、雨の中を30kmほど運転したこともある。気持ちをくすぐるドライビング体験や、素晴らしい品質を確かめることができた。

今回の長期テストでは、3点に注目して進めていきたい。まず1つ目は、1年間も自動車評論家たちによって走り込まれた911は、どんな印象なのか。

すでに筆者が480kmを走り、その第一印象は掴めている。好感触なことは、1年前に試乗したときと変わらない。

2つ目は、911の実用性。乗りやすいことは十分理解しているが、日常的な条件での感じ方を確認したいと思う。

3つ目は、どの911を選ぶべきか、ということ。長期テスト車は後輪駆動のカレラで、最高出力は992型の中で一番低い。カレラSは450psだが、これは385psと、65psの小さくない差がある。

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