【究極で最速のウラカン】ランボルギーニ・ウラカンSTO プロトタイプへ試乗 FRに640ps 前編

公開 : 2020.11.24 10:20  更新 : 2020.11.24 10:45

量産ウラカン史上、最速となるSTOがまもなく登場します。主要コンポーネンツはレーシングカーのスーパートロフェオ譲り。エアロダイナミクスの改良と後輪駆動化、軽量化が図られ、ペルフォルマンテを超える速さを実現しています。

STO:スーパー・トロフェオ・オモロガータ

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ランボルギーニの歴史の中で、最も数多く売れたスーパーカーになったモデルが、ウラカン。その究極のロードリーガル仕様となるのが、まもなく登場するウラカンSTOだ。

サーキット・アタックを前提に設計されたモデルで、ウラカン・ペルフォルマンテを超えるパフォーマンスが目指されている。STOとは、スーパー・トロフェオ・オモロガータの略。つまり、レーシングマシン、ウラカン・スーパートロフェオの公道認可版といえる。

ランボルギーニ・ウラカンSTO プロトタイプ
ランボルギーニ・ウラカンSTO プロトタイプ

ランボルギーニのエンジニアが自信を伺わせる特徴の1つが、大幅に手が加えられたエアロダイナミクス。巨大なダウンフォースを生成し、サーキット領域の速度での走りを支える。

アヴェンタドールのALAのような可変タイプではないが、フロントやリアの迫力あるディフューザーや高くそびえる複雑な造形のリアウイングは、いかにも効きそうだ。カモフラージュで、はっきり形は確認できないけれど。

実に280km/hの速度域で、450kgのダウンフォースを生み出すという。これは四輪駆動のペルフォルマンテが310km/hで生成する力より、100kg以上も強い。

ウラカンSTOは後輪駆動化されており、駆動系統は軽く仕上がっている。さらにマグネシウム合金の専用ホイールやチタン製のボディパーツ、カーボンアフィバー製のワンピース・ボンネットなどを採用し、重量を可能な限り削っている。

ペルフォルマンテより43kgのダイエット

フロントガラスは薄くすることで、ペルフォルマンテより20%軽い。車内からはフロアカーペットが剥ぎ取られ、ロールケージとカーボンアフィバー製シェルのスポーツシートが取り付けられている。

ランボルギーニによれば、ウラカンSTOの乾燥重量は1339kg。ペルフォルマンテから43kgのダイエットとなる。

ランボルギーニ・ウラカンSTO プロトタイプ
ランボルギーニ・ウラカンSTO プロトタイプ

エンジンは、自然吸気のV型10気筒。8000rpmという高回転域でピークパワーの640psを絞り出す。最高出力はペルフォルマンテと同値だが、最大トルクは3.7kg-m低い57.4kg-mとなった。そのかわりSTOは、アクセルレスポンスが高められているという。

もっとも、これまでのウラカンでも、レスポンスに対する不満はなかったのだが。同時にトップエンドでのエンジンサウンドも、研ぎ澄まされている。

サスペンションは、新しいブッシュとアンチロールバーを備えた強化版。アクティブダンパーも減衰力を高めてある。タイヤは、専用のブリヂストン・ポテンザを履く。ロード用とサーキット用とが選べるという。

速度を受け止めるのは、モータースポーツ仕様のカーボンセラミック・ブレーキ、CCM-R。通常のカーボンセラミック製ディスクより4倍も熱伝導率が高く、制動力は25%優れる代物だ。

ステアリングラックは、直感的な操作を導く固定レシオ。シャープな旋回性を得るため、後輪操舵システムとアクティブ・トルクベクタリングが備わる。

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