【超辛口】走りを突きつめた! ランボルギーニ初のロードゴーイング・レーサー「ウラカンSTO」

公開 : 2020.11.21 14:22  更新 : 2021.10.11 09:37

ランボルギーニの新モデルが日本上陸。デイトナ24時間レース3連覇を遂げたレーシングマシンと、ワンメイクレース用マシン直系の走り。この2つを突きつめたロードカーが発表されました。その名は「ウラカンSTO」。

公道を走れるスーパー・トロフェオ・エボ?

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

これまで様々なパフォーマンスモデルを送り出してきたランボルギーニウラカンに、走りを突きつめた辛口モデルが追加された。

欧州時間の11月18日午後4時に、ウェブでワールドローンチされた「ウラカンSTO」である。

日本上陸したランボルギーニ・ウラカンSTO
日本上陸したランボルギーニ・ウラカンSTO

それからわずか37時間後に、世界に先駆けて日本のメディアに披露された。これは日本のマーケットが、ランボルギーニにとって極めて重要な存在であることを意味する。

ウラカンSTOは、デイトナ24時間レース3連覇を遂げた純レーシングマシンのウラカンGT3、ワンメイクレース用に作られたウラカン・スーパー・トロフェオ・エボで得られたレース・テクノロジーをもとに開発されたRWDのロードカーだ。

モデル名の「STO」は「スーパー・トロフェオ・オモロガータ」の略。

ワンメイクレース用のスーパー・トロフェオを、公道走行用に公認を取得したという意味となる。

そのスタイルは、大きく張り出した前後フェンダーにより、特別なウラカンであることを主張する。

レーシングモデル直系で、公道走行可能

ウラカンの高性能版は数多く登場しているが、レーシングモデル直系となる公道用モデルは初となる。

その開発に際しては、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセの伝統を受け継ぎ、スーパー・トロフェオと同じフィーリングと高揚感を届ける仕立てとされた。

ランボルギーニ・ウラカンSTOのリアセクション。
ランボルギーニ・ウラカンSTOのリアセクション。

エアロダイナミクス性能の向上と軽量化、そして絶妙なバランスとレーシーな味付けにより、日常的な走りの中でもレース・ドライバーさながらのエモーションを体感できるスーパースポーツを目指したという。

具体的には、空気の流れを最適化するため、レース用車両が培ってきたテクノロジーを活用。

ウラカンSTOのフロント部分はボンネット、フェンダー、バンパーを一体にした「コファンゴ」と呼ばれる一体式カウルが目を引く。

この方式は、往年のミウラやレーシングマシンで採用されていた。

コファンゴの前面から取り入れた空気は、ラジエーターを冷却したのち、カウル上面に抜ける構造でダウンフォースも発生させる。あわせてフェンダー上に設けられたアウトレット・ルーバーはホイールハウス内の熱気を抜くことにより、ダウンフォースを増出。

コファンゴの下には、アンダーボディとリアディフューザーへ流気を導くスプリッターが備わる。

あわせてフェンダーの峰に気流を整えるフィンが備わるのは、スーパー・トロフェオ・エボ譲りだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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