【詳細データテスト】ボルボV90 T6リチャージ AWD Rデザイン スポーティなルックス 洗練の走り 極上の快適さ

2020.11.21

サマリー

マイナーチェンジしたV90のトップグレードは、以前よりエンジンパワーがダウンしたものの、完成度はアップ。革新性は薄いが、快適性や経済性は向上し、ボルボの長所を象徴するようなクルマに仕上がっていました。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
内装 ★★★★★★★★★☆
走り ★★★★★★★★☆☆
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★★
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★★★☆

はじめに

ボルボの電動化戦略は、2000年代末にプラグイン技術を投入したところからはじまった。その成熟ぶりは、控えめに言ったとしてもみごとと形容すべきものだ。

記憶力のいい読者は、2007年に発表されたC30ベースのリチャージ・コンセプトを思い出すかもしれない。発電用の1.6Lガソリンエンジンと4基の駆動用モーターで構成されるシリーズハイブリッドシステムを積み、電力のみで最大100kmを走行すると謳った試作車だ。

テスト車:ボルボV90 T6リチャージ AWD Rデザイン
テスト車:ボルボV90 T6リチャージ AWD Rデザイン    JOHN BRADSHAW

続いて製作されたのが、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた2台のV70。これは、同郷の電力・エネルギー企業であるヴァッテンフォールとの共同研究だった。そのプラグイン仕様のワゴン2台は、2010年に電力航続距離30kmを達成する。

そしてボルボは、現実的な使い方においてどのような長所と短所があるのか、これらのテスト車から知ることができた。敢えて最大の弱点はどこにあったかを述べるなら、それは11.3kWhバッテリーによるゼロエミッション走行距離の短さだ。

しかしそれ以降、事態は急激に加速した。親会社である中国のジーリーホールディングが多額の投資をしたこともあり、ボルボは競合するドイツ勢を出し抜くために重ねてきたプロジェクトの数々で得た成果を、実践に移すことが可能になったのだ。

そうして2012年に、V60のディーゼルPHEV仕様が登場。それに続いて、パフォーマンス志向となるガソリンハイブリッドのハイエンドモデルが順次投入された。これにより、目端の利くカンパニーカーオーナーたちは、スタイリッシュで魅力的ながら燃料費と税額を節約できるクルマに出会った。

そして2020年。ボルボはマイルドハイブリッドからフルEVまでを用意し、全ラインナップを電動化した。同時に、大型で高価なプラグインハイブリッドモデルのいくつかについては、価格をより手に入れやすいものとしてきた。他社の電動化ラインナップ拡大は、まだはじまったばかりだというのに、である。

今回のV90 T6リチャージは、そうしたモデルのひとつだ。新たにアップグレードされたボルボのフラッグシップワゴンは、前身のT8ツインエンジンよりややアンダーパワーなのだが、価格もわずかながら低い。そのうえ、課税額の低い区分にも入る。

とはいえ、アウディやBMW、メルセデス・ベンツからシェアを奪い取れるほど、それは魅力のあるクルマなのだろうか。われわれが知りたいのはその点にほかならない。

 

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