【次世代モデルをいち早く体験】新型ポルシェ911 GT3 510psのフラッグシップに同乗 

公開 : 2020.11.27 09:29

英AUTOCAR編集部は、新型ポルシェ911 GT3のプロトタイプに試乗。510psのフラッグシップモデルを体験しました。強烈な加速力とエンジンサウンド、そして驚くほどしなやかな乗り心地を実現しています。

新型911 GT3プロトタイプに同乗体験

text:AUTOCAR UK編集部
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

新型ポルシェ911 GT3は、2021年で最も期待できるクルマになるかもしれない。AUTOCARはポルシェのGTシリーズの開発責任者であるアンドレアス・プレウニンガーとともに、新型の走りを体験する機会を得た。

パワートレインについてプレウニンガーは、「スピードスターのエンジンを改造したものです」と断言する。992世代の911 GT3は、911スピードスターには適用されない規制をパスしなければならないため、多少の違いはあるが、搭載される4.0Lの自然吸気フラット6は、同じ9000rpmまで回転する。

新型ポルシェ911 GT3プロトタイプ
新型ポルシェ911 GT3プロトタイプ    AUTOCAR

最高出力は510psになるという。つまりスピードスターと同じで、991.2 GT3の500psよりも増加しているのだ。

その差は決して大きくないが、レース用エンジンのホモロゲーションは、すぐにできることではない。最近の規制は非常に厳しく、プレウニンガーによると、開発にかけた時間の約80%はGT3の性能レベルを維持するために費やされており、残りの20%は性能向上のための努力に費やされているという。

出力向上に伴い、重量増加の懸念もあるが、プレウニンガーは次のように語っている。

「クルマを重くしたくはありませんでした。非常に重要なことです。992のボディなので大型化していますが、これ以上重量を増やしたくないんです」

リアシートをなくし、吸音材を減らし、軽量素材を使用し、ガラスを薄くし、カーボン製のボンネットを採用するなどした結果、現行モデルよりも軽くすることに成功した。

4.0Lフラット6の咆哮

AUTOCAR編集部は、プレウニンガーが運転するプロトタイプに同乗した。ヴァイザッハ周辺の見慣れた道を走行する。

「これはモータースポーツカーなので、その期待に応えなければなりません」と彼は言う。

新型ポルシェ911 GT3プロトタイプとアンドレアス・プレウニンガー
新型ポルシェ911 GT3プロトタイプとアンドレアス・プレウニンガー    AUTOCAR

今のところ、現行モデルより速くなること以外は何も語られていない。新型ではシャシーと空力性能に焦点が当てられ、全体的に大きな変更が加えられている。

最も分かりやすいのはエアロパーツであり、特にリアウイングが顕著だ。

「リアウィングは特に、機能に従って形作られています」とプレウニンガー。レーシングマシンと同じようにスワンネックが採用され、途切れることのないエアフローを下面に生み出している。

同時に、エンジンのエアフローを整える役割も果たしている。ボディ下部には大型のリアディフューザーを備え、下面はフラット形状、フロントには整流用のダクトがあり、それらを駆使して押し寄せる空気をすべてコントロールしていく。

ダウンフォースを50%増加させながらも、抗力には全く影響を及ぼさないよう設計されているという。プレウニンガーはコーナリングスピードだけでなく、ストレートでも高速で走らせたいと考えているからだ。

「わたし達が住んでいるドイツにはアウトバーンがあるので、スピードメーターの頭に”3″が表示されるまでは激しく加速してほしいと思っています。それ以降は気にしません」

それを証明するため、プロトタイプはアウトバーンで制限速度の上限が解除されている区間を走った。プレウニンガーは、PDKスティック(彼はパドルよりもスティックを好む)でギアを落とし、4.0Lのパワーを呼び覚ます。

その力強さはスピードスターを彷彿とさせる。低回転域では低音を響かせ、9000rpmの高回転域に達するとピッチが変化して、叫び声のような激しい轟音を奏でた。

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