【どれだけ積める?】メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン 改良新型のラゲッジ・スペース、実測調査 王者の余裕

公開 : 2020.11.27 07:20  更新 : 2021.10.11 13:49

ステーションワゴンの王者といえるのが「メルセデス・ベンツEクラス」。124の時代から抜群の収容力と扱い易さが美点です。そこで、最新型Eクラス・ステーションワゴンのラゲッジ・スペースの広さを調べてみました。

ワゴンの理想形を追求?

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

W124の時代から、メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴンのラゲッジ・スペースの広大さには定評があった。

単に広いだけではなく、高さ(深さ)があり、ちゃんとトノーカバーが備わる点は、使う側の視点で作られていたことが分かる。

今回のラゲッジ・スペース調査は、メルセデス・ベンツの改良新型Eクラス・ステーションワゴンの荷室を実測検証(E200ステーションワゴン・スポーツ)。
今回のラゲッジ・スペース調査は、メルセデス・ベンツの改良新型Eクラス・ステーションワゴンの荷室を実測検証(E200ステーションワゴン・スポーツ)。    前田恵介

90年代のライバル車には荷室が浅いものやトノーカバーがなく荷物が丸見えというモデルもあり、完成度の高いEクラスのワゴン・モデルの使い勝手の良さが際立っていた。

それから20余年。Eクラスは先ごろW213系のマイナーチェンジ版へと進化する。

そこで現行Eクラス・ステーションワゴンのラゲッジ・スペースの有用性をチェックしてみることにした。

やっぱり「Eクラスは広かった」

かつてのミディアム・クラス時代から定評のある広いラゲッジ・スペースは、最新モデルにも受け継がれていた。

注目したいのは後席を使用した定員乗車時の荷室の広さだ。

Lサイズと Mサイズのスーツケースを寝かして積み込んだ状態。Lサイズを2本並べて詰める。
Lサイズと Mサイズのスーツケースを寝かして積み込んだ状態。Lサイズを2本並べて詰める。    前田恵介

今回は、GLBの調査でも使ったMサイズのスーツケース(710×425×260mm:容量61L)と、機内持ち込み可能なボードケース(550×400×200mm)が測定サンプルとして再登場。

さらに、広大なスペースを誇るEクラスだけに、Lサイズのスーツケース(790×530×280mm:容量84L)を加えてみた。

さっそくLサイズとMサイズのスーツケースを寝かして積むと、余裕で収まってしまった。

左右にはまだスペースがあるのでLサイズを2本並べて入れることも可能だ。ボードケースなら、起こした状態で収納しても、ちゃんとトノーカバーが使えるのはさすがだ。

トノーカバーを取り外すなら

それでは、スーツケースを起こして積んでみよう。

トノーカバーを巻取っただけの状態では、Lサイズは、角の部分が荷室からちょっと飛び出してしまった。

Lサイズのスーツケースを起こして積みこむと端が飛び出してしまい、リアゲートを閉められない。
Lサイズのスーツケースを起こして積みこむと端が飛び出してしまい、リアゲートを閉められない。    前田恵介

そこで、取り外し式になっているトノーカバーの巻取り部分も含めて外すと、今度はLサイズのスーツケースはきれいに収まった。

スーツケースを起こした状態ならLサイズを4本飲み込む収容力の高さは、Eクラス・ステーションワゴンの伝統といえる美点だ。

後席シートアレンジをチェック

Eクラス・ステーションワゴンは全長4955mmという余裕のサイズもあって、後席に我慢というワードは存在しない。

身長167cmの筆者が決めたドライビング・ポジションで後席に移ると、ひざから前席バックレストまでは300mmものクリアランスがあり、ゆとりの空間が確保されていた。

後席のシートバックは、座面にそのまま倒れる方式だが、フロアは後端から前端まで前上がりでフラットなため使い勝手は良い。
後席のシートバックは、座面にそのまま倒れる方式だが、フロアは後端から前端まで前上がりでフラットなため使い勝手は良い。    前田恵介

後席のシートバックは40:20:40の3分割式で、それぞれを独立して倒すことができる。

左右のバックレストは後席で倒せるほか、荷室横にある可倒レバーからも操作できるので便利。

シートバックは座面にそのままで倒れる方式だが、フロアは前端から後端まで前上がりでフラットになり、段差もないため大きな荷物の積み込みも楽だ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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