【V8または直4ベースの高性能モデル】メルセデスAMG 新たなPHEVシステム発表 最高出力800ps以上

公開 : 2021.03.31 18:45  更新 : 2021.07.27 14:51

将来のメルセデスAMGモデルには、2種類のPHEVシステムが搭載されます。高い加速性能が期待されます。

AMGのEパフォーマンス戦略

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

メルセデスAMGは、自社開発した2つの新しいプラグイン・ハイブリッド(PHEV)システムを発表した。最もパワフルなものは、将来のAMGモデルで815ps以上の出力を実現するとともに、短距離のゼロ・エミッション走行を可能にするなど環境性能との両立を図っている。

AMGが「Eパフォーマンス」と呼ぶ新しいPHEVシステムでは、既存の4.0L V8ツインターボと、新開発の2.0L 4気筒ターボエンジンの縦置きバージョン(それぞれコードネーム:M177とM139)をベースに、AMG製トルクコンバーターを搭載した9速MCTスピードシフトを組み合わせている。

重量増に伴う性能への影響は、重量配分と高トルクで相殺されるようだ。
重量増に伴う性能への影響は、重量配分と高トルクで相殺されるようだ。

このエンジンに、リアアクスル・アッセンブリーに組み込まれた電気モーターを組み合わせることで、CO2排出量の削減に貢献すると同時に、潜在的なパフォーマンスを高めている。

搭載される非同期モーターは95psの定格出力を持つが、よりパフォーマンスを重視した走行モードでは、最高出力204ps、最大トルク30.5kg-m(1万3500rpm)を発揮する。後輪をメインで駆動し、必要に応じて短時間前輪を駆動する。

この新しいドライブトレインは、2017年のジュネーブ・モーターショーで公開されたメルセデスAMG GTのコンセプトカーで示唆されていた。標準的なメルセデス・ベンツのPHEVモデルで採用されているレイアウトとは異なり、電気モーターをトランスミッション・ハウジングの前部に統合している。

AMGによると、Eパフォーマンスモデルの車両重量は平均200kg増加するが、前後の重量配分を最適化し、既存の内燃機関モデルのハンドリング特性は維持されるという。また、電気モーターは、9速MCTとは独立した2速ユニットとして動作するため、高い複合トルクを実現している。

電気モーターの動力源となる電力は、円筒形のセルを採用した400V 6.1kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄えられ、コンパクトにまとめられている。メルセデスAMGのF1マシンのドライブトレイン開発を担当している英国のハイパフォーマンス・パワートレインズ社との共同開発により、重量は89kgに抑えられているという。

ドライビングモードは、エレクトリック、コンフォート、スポーツ、スポーツ+、レースの5種類に加え、ドライバーの好みに合わせて調整可能なインディビジュアルが用意されている。

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