【4万ポンドで買えるBMW】BMW 420ixBMW i3xミニJCW GP 個性派3台を乗り比べ 後編

公開 : 2021.07.25 09:45

4万ポンド(616万円)の予算があるなら、どんなモデルが購入できるのでしょう。英国編集部は個性的なBMW、3台をピックアップしたようです。

走りに惹き込まれつつ、高速道路も市民的

text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)
photo:Max Edleston(マックス・エドレストン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ミニJCW GPの、ブラックで統一されたインテリアは若干プレーンに感じられるものの、運転すれば気にならなくなる。積極的な加速と、トルクが生み出すたくましさ、意欲的な回頭性に惹き込まれる。迫り来る路面にも。

トルクステアを抑え込み、路面変化で乱される進路を修正する。トルセンLSDが備わるものの、2本のフロントタイヤは常にホイールスピンをしたがる。クルマとの戦いだ。

巨大なタイヤはグリップ力も高い。6500rpmと比較的レブリミットは低いものの、トルクは極太。8速ATをマニュアルモードにし、シフトパドルで操らずにはいられない。

上質さでは、先代のミニJCW GPより若干低い。しかし、一元的なコーナリングマシンというわけでもない。

凶暴なミニは、高速道路を走らせると想像を良い意味で裏切るほど市民的。サスペンションは、感心するほど鋭い起伏部分も丸め込んでくれる。もちろん、BMW 420iほどの洗練度は望まないで欲しい。

420iの穏やかなクルージングの質感は、シティカーのBMW i3より落ち着きを感じさせるほど。インテリアは上質で、細部までデザインが行き届き、高級さを漂わせる。4シリーズを運転していると、まるで世界がすべて順調に進んでいるかのように感じられる。

だが、420iの中にあるスポーツカー度は高くない。加速感は、活発と呼べる程度。ステアリングホイールへ伝わるフィーリングには、リモート感がある。コーナリング時に重みが増していかないという特性も気になる。

バランスに優れ繊細な印象の420i

ステアリングの感覚に慣れてしまえば、バランスに優れたシャシーだと理解できる。コーナーを正確に縫っていく、機敏な特性を味わえる。アダプティブダンパーを装備すれば、乗り心地もほとんどの場面でドライバーに優しい。

4シリーズのベースになっているのは、磨き込まれた3シリーズ。あらゆる側面でバランスが取れていることにも、納得できる。この3台の中で、1番繊細さを感じるのも420i。i3やミニJCW GPとは、対象的だ。

今回比較した3台の強い個性は、もちろん、属するブランドの香り付けによるところが大きい。加えて、アーキテクチャがまったく異なるということも理由の1つ。搭載する技術的な違いは小さくない。

i3はBMWの純EVのエンジニアリングとして、独自の道を歩いた。ミニJCW GPは、エクストリームな限定モデル。確かに差別化という点では、極端な例かもしれない。

同じ傘下にあるブランドとして、アーキテクチャとコンポーネントを共有し、多くのボディスタイルを展開しようという考え方は、大規模メーカーでは一般的なものになっている。しかし今後しばらくは、個性豊かなクルマも楽しめそうだ。

内燃エンジンから純EVへ移行する過渡期にあって、多様なパワートレインの組み合わせが選べる時代をわれわれは生きている。同じ価格帯で新鮮な体験を味わうことは、まだ可能なのだ。

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