【ラリーレジェンドを復刻】MST Mk2 ステージ2へ試乗 新ボディ+2.5Lデュラテック 後編

公開 : 2021.07.25 08:25

フォードを代表するラリーマシンの1台、Mk2エスコートを専門ショップが復刻。新造ボディにデュラテック4気筒が載る1台を、英国編集部が評価しました。

200ps前後に1tを切る車重

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
MST Mk2に載る2.5L 4気筒のデュラテック・エンジンは、低回転域からトルクが太い。喜ぶように高回転域まで一気に吹ける。オリジナルのツインカムのように硬質なサウンドは聞こえないが、高負荷時の音響は充分にマッシブ。心に響く。

スロットルボディは気筒毎に4本備わる。最高出力は200ps前後になるという。車重は1tを切るから、動的性能はかなり活発。3速や4速に入れても、加速は充分以上に力強い。

MST Mk2 ステージ2(英国仕様)
MST Mk2 ステージ2(英国仕様)

クラッチは油圧式だが、踏むには力がいる。MTにはクイックシフターが組まれ、コツを掴めば短時間で変速できるようになる。

当時のラリー仕様のエスコートでは、トップギアでレブリミットまで回しても、160km/hを超えるくらいがやっとだった。MST Mk2の場合は、ロードスターの6速MTにドライバーへ優しいファイナルギアが組み合わされ、100km/hでも2500rpm前後で済む。

とはいえ、長距離ドライブを楽しむようなクルマではない。サスペンションにはモータースポーツ前提のポリブッシュが組まれていて、誰が乗っても硬く感じるだろう。

コーナリング・レスポンスを鋭くするため、フロントタイヤは明確なトーアウト。高速走行中は、細かな修正舵を当て続ける必要がある。シャシーは大きな負荷をしっかり受け止めてくれるが、細かな凹凸ではしっかり揺れる。ノイズも生じる。

コーナーでキャッツアイを踏むと、車内は銃撃されたような音振に覆われる。

攻め立てるほどに良くなる

MST Mk2にピッタリの、カーブが連続するような道に進めば、細かいことは気にならなくなる。攻め立てるほどに良くなるのがわかる。

ステアリングには、低速域での扱いやすさを高めるため、電動のパワーアシストが追加されている。しかし速度が高まるほどアシスト量が弱まり、軽快で正確で、フィードバック豊かな感覚だけが残る。

MST Mk2 ステージ2(英国仕様)
MST Mk2 ステージ2(英国仕様)

フロントタイヤが生む巨大なメカニカルグリップが、ステアリングを通じて伝わってくる。より攻め込んで欲しいと促されるように。アンダーステアは、ほとんどない。

タイトコーナーでアクセルペダルを踏み込むと、予想通りリアが流れ出す。しかしクムホのグリップ力は極めて高く、昔のラリーシーンのような、真横を向き続けるドリフトマシンというわけでもない。

でも、MSTが仕上げる最もパワフルなステージ3のエンジンなら、ハンドリングのバランスはグリップではなくスリップ主体になるだろう。滑りやすい路面でなくても。

ブレーキもMST Mk2の個性を引き立てる。コンペティション仕様のミンテックス社製ブレーキパッドは、ハードなブレーキングの連続でも問題なくスピードを熱に変換してくれる。13インチホイールの内側にあるディスクは、小さいのに。

日常的な速度域で柔らかくペダルを踏むと、ブレーキが鳴く。積極的に走って欲しいと、不平を漏らしているようだ。

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