【最も速く強力なGT】ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブルへ試乗 後編

公開 : 2021.09.26 19:05  更新 : 2021.10.14 16:04

パフォーマンスに磨きがかけられた、コンチネンタルGT スピード。非の打ち所のない速さや豪華さを備えるコンバーチブルを、英国編集部が評価しました。

クーペとほぼ同等のドライビング体験

執筆:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
コンチネンタルGT スピード・コンバーチブルの2436kgという車重を、シャシーは見事に制御。アンダーステアは、驚くほど効果的に抑え込まれている。しかし、狙い通りコーナリングラインへ落ち着くまでに、クーペより若干遅れる印象がある。

といっても、クーペでもコンバーチブルでも、より日常的な基準で評価すれば、ほぼ同等のドライビング体験を享受できるといっていい。スポーツ・モードでも、ステアリングホイールが過度に重くなったり、フィードバックが増えすぎることもない。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)

直感的にボディを導いていける。ただし、カーブが続く道での取り回しが難しい、幅が広く背の高いボンネットを備えた、大きなクルマであることに変わりはない。フロントガラス左右のAピラーは太く、斜め前方の視界が良いともいい難い。

綿密に練られたシャシーバランスで、磨かれた操縦性は味わえる。だが、このボディサイズが故に、急速に立ち上がる大きな慣性は避けられない。コンチネンタルGT スピードの能力を探求したいなら、充分なエスケープゾーンが必要になってくる。

正直なところ、GT スピード・コンバーチブルの能力を受け止められる道は、2021年の世界中を探しても殆ど見つからないだろう。ベントレーのオーナーが、そんな道を探求する時間を割くことも、珍しいことだと思う。

少なくとも、GT スピード・クーペは、コンバーチブルよりドライバーとの一体感が強いことは間違いない。より多くの充足感を得られる。

完璧なラグジュアリーモデル

ラグジュアリー・モデルとして、コンチネンタルGT スピード・コンバーチブルは完璧。2台を比べればボディ剛性や乗り心地の違いも見えてくるが、オーナーが心配するようなレベルにはない。

コンフォート・モードにして贅沢なシートに身を置けば、大きな隆起部分も路面が剥がれたような鋭い入力も、ボディを一切振動させずに受け流してくれる。サイドウインドウを上げれば、オープン状態でも暴風に悩まされることもない。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)

表面が荒れたアスファルトでは、肉薄なタイヤと開放的なボディのおかげで、ロードノイズの共鳴が届くこともある。しかし、サスペンションをコンフォートにしていれば、そんな場面も極めて限定的だ。

それ以外のほぼすべての路上を、コンチネンタルGT スピードはハイスピードで安楽に駆け抜ける。恐らく競合に該当するであろう、いくつかモデル以上に安楽に。

W型12気筒ツインターボ・エンジンの最高出力は、659ps。数字通りに強力だが、パワーデリバリーは若干穏やか。ターボブーストが立ち上がるまでの、少しのタメもある。

音響としては、このクラスの中で最も聴きごたえのあるエンジンとはいえないだろう。サウンドは充分に心地良いが、魂に響くような音色というわけでもない。

トランスミッションは8速デュアルクラッチATだが、高回転域でのシフトダウンを稀に拒否する場面があるようだ。少しのターボラグと同様に、気になる部分といえる。

ただしそれは、アクセルペダルをフロアまで蹴飛ばして、フラットアウトするような時に限る。コンチネンタルGT スピードのオーナーが楽しむような典型的な速度域で、水を指すようなことは一切ないはず。

この記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報部を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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