【いい尽くせない素晴らしさ】GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダーへ試乗 前編

公開 : 2021.09.29 08:25  更新 : 2021.10.14 16:05

フェラーリを専門とするGTOエンジニアリング社が手掛けた、クラシカルなスパイダー。現代水準で仕上げられたカリフォルニアへ、英国編集部が試乗しました。

オリジナルとほぼ見分けがつかない

執筆:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
なんと美しいスパイダーなのだろう。でも今回ご紹介するクルマは、オリジナルのフェラーリ250 GTカリフォルニアではない。ショート・ホイールベース版の。

もし本物なら、保存状態とこれまでの経歴によっては、1500万ポンド(22億8000万円)以上で取り引きされる極めて高価なクラシック・フェラーリだ。何しろ製造台数は、わずか56台しかない。

GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)
GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)

試乗したスパイダーは、フェラーリを専門に扱うガレージ、GTOエンジニアリング社が製作した、できたてホヤホヤの新車。モデル名は、カリフォルニア・スパイダー・リバイバルという。

見た目は、1950年代末に作られたオリジナルとほぼ見分けがつかない。その内側はどうなのだろう。興味が掻きたてられる。

もし2年間のバックオーダーを待てるなら、GTOエンジニアリング社はオリジナルの20分の1の価格で、美しいスパイダーを準備してくれる。といっても、75万ポンド(1億1400万円)を用意することにはなるのだが。

見事なボディの内側も、ほとんどオリジナルに近い構成で仕上げられている。標準仕様では、エンジンは250 GTと同じ設計の3.0L V型12気筒。トランスミッションも、当時と同じ4速MTが組まれる。

しかしGTOエンジニアリング社は、ほぼ無限といえるカスタム・メニューを取り揃えている。オーナーのご希望に応じて、より高性能な1台にすることも問題ない。

シャシーに施された強化策で別次元

今回のカリフォルニア・スパイダーは、生産台数10台にも満たない、量産シリーズとしては一番初めの仕様。3.5LのV12エンジンと、GTOエンジニアリング社独自の5速MTを搭載し、英国価格は85万ポンド(1億2920万円)が付けられている。

筆者はこれまで、貴重な56台の1台を運転した経験はない。250 GTカリフォルニアのオーナーであっても、ほとんど公道に出すことはないだろう。

GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)
GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)

だが、1960年代に製造されたコンバーチブル、フェラーリ275 GTSを運転したことはある。その印象は、正直にいって、あまり良いものではなかった。多くの異論が上がりそうだけれど。

見た目は素晴らしく美しいし、エンジンサウンドは聴き応えもたっぷり。ところがオープンボディのためか、スペースフレーム・シャシーは走行中に振動を隠さない。その影響で、ステアリングや乗り心地にも小さくない影響が出ていた。

スピードを高めるほど、状況は悪化する一方。結果としてフェラーリでありながら、275 GTSをのんびり走らせるに留まった。クラシック・フェラーリを運転している、という気持ちを打ち砕くように。

GTOエンジニアリングの技術者が、同じ経験をしたのかはわからない。だが、シャシーの要所には充分な強化が施してある。その効果は、別次元といえるほどに印象を変えているようだ。

どんな走りなのか触れる前に、カリフォルニア・スパイダー・リバイバルをもう少し詳しくご紹介しよう。その容姿は見事で、実物を初めて目にすれば、どんな人でも顔に笑みを浮かべるはず。

この記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報部を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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