【いい尽くせない素晴らしさ】GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダーへ試乗 前編

公開 : 2021.09.29 08:25  更新 : 2021.10.14 16:05

レッド・レザーのゴージャスなインテリア

伝統的な技術に則って製造されており、ボディパネルは職人が丁寧にアルミニウム板を叩き出して成形している。形状はデジタルデータを用いて管理され、60年前のオリジナルより、パネルそれぞれのフィット感は遥かに高い。

映画俳優のジェームズ・コバーンはオリジナルの250 GTOを所有していたが、彼のクルマと同様に塗装は完璧なネロ。ブラックだ。ちなみにそのクルマは2008年にオークションへかけられ、初めて1000万ドル以上の値を付けたクラシックカーとなった。

GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)
GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)

250 GTOは、厳密には2種類に別れており、1958年から1960年にかけて製造されたロング・ホイールベース版は45台が作られている。その後、今回のベースとなった、軽量でスポーティなショートホイールベース版が作られた。

それに準じて、カリフォルニア・スパイダーにも2種類が用意されている。筆者のように身長が190cmもある場合は、ロング・ホイールベース版の方が良いかもしれない。

ショート・ホイールベース版は200mmほどタイヤ間の距離が短く、足元空間が狭い。ペダルへ足を置くと、トリプルスポークのナルディ社製ウッド・ステアリングホイールを、膝で挟む格好になってしまう。

それでもインテリアはゴージャス。ヴェグリア社の精巧なメーターが何枚も並び、内装はシートも含め、壮観なレッド・レザーで仕立ててある。ツヤツヤのグリップが付いたシフトレバーが、ふくよかなトランスミッション・トンネルから伸びる。

真新しいキーを挿し180度回し、少し押し込んでV12エンジンに火を入れる。一発で目覚めた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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