ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジへ試乗 ロー・モードで29ps増し

公開 : 2021.11.11 08:25

英国高級車の代名詞、ロールス・ロイス。荘厳にコーディネートされたブラックバッジを英国編集部が試乗しました。

若い富裕に選ばれるブラックバッジ

執筆:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国高級車の代名詞といえる、ロールス・ロイス。現在の購入者の平均年齢は、若干43歳なのだという。BMWグループに属するブランド全体で計算した平均年齢より若い。

若い富裕層に選ばれるロールス・ロイスという現象は、5年ほど前に始まっている。ブラックバッジと呼ばれる、特別なグレードの投入がきっかけだったようだ。新興国の大都市圏で増えるリッチな人の心を、黒いコーディネートが掴んだのだろう。

ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジ(欧州仕様)
ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジ(欧州仕様)

ブラックバッジと呼ばれる仕様が登場したのは、2016年のロールス・ロイス・レイスから。そして今回、2代目へ進化したゴーストにも追加された。

このブラックバッジは、ボディを漆黒の塗装で仕上げたり、光沢を抑えたスポーティな装飾でドレスアップされるだけではない。ノーマルのゴーストにプラスのパワーが与えられ、いわゆるスポーツ・モードが追加される。

ボディの要所要所にあしらわれる、トリム類はクロム仕上げ。しかしコーティング素材の成分を調整し、明るさを抑えている。大きなパルテノングリルや、その頂上を飾るスピリット・オブ・エクスタシーなどを観察すると、違いがわかりやすい。

ボディは、ロールス・ロイスが用意する4万4000種類の選択肢からお望みの塗装が選べる。だが、ブラックが最も人気の色なのだそうだ。

ロー・モードで29psと5.1kg-m増し

今回の試乗は、珍しく夜間に行われた。ゴースト・ブラックバッジが世界発表される前だったから、人目を避ける狙いもあったのだろう。

追加された新しいドライブモードによって、V12エンジンや8速ATのレスポンスがシャープに変化する。だが、ロールス・ロイスはスポーツとは呼ばない。ロー・モードという名前で、シフトコラムに配されたボタンで切り替えできる。

ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジ(欧州仕様)
ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジ(欧州仕様)

指定されたスタート地点は、ノーサンプトンシャーにある飛行場の滑走路。モードを変えた時の、発進加速の違いを確かめることから始まった。

ロー・モードを選ぶと、ノーマル・モードより8速ATの変速スピードは50%鋭くなる。6.8LのV型12気筒ツインターボエンジンは、29psと5.1kg-mを多く発揮する。その瞬発力は凄まじく、慣性で筆者の背中は豪華な背もたれに強く押し込まれてしまった。

そこから一般道へ出たが、走れた距離は比較的短かった。オックスフォードの環状線と、そこから広がる一般道を運転させてもらったが、恐らくゴースト・ブラックバッジのオーナーが日常的に走るエリアではないと思う。

普通に運転している限り、通常のゴーストとブラックバッジとの、動的能力の違いは感じられない。といっても、それは極めて極上の体験だ。

ひたすら静かで快適で、洗練されている。全長が500mmほど長い、ファントムより明らかに運転しやすい。特に後輪操舵システムが備わり、全長が5399mmあることを感じさせない扱いやすさがある。ひどく感心させられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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