フィアット128xフォルクスワーゲン・ゴルフMk8 元祖と定番の前輪駆動 後編

公開 : 2021.11.27 09:46

現代的なFFレイアウトの元祖といえば、フィアット128。最新FFハッチバックのゴルフと英国編集部が乗り比べしました。

驚くほど共通点の多い2台

執筆:Simon Hucknall(サイモン・ハックナル)
撮影:Luc Lacey(リュク・レーシー)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
44年間にもたらされたデザインや技術的な進化によって、その時期のファミリカーといえるフィアット128とフォルクスワーゲン・ゴルフの2台には驚くべき違いがある。クルマの見た目にも、端的に表れている。

イエローの8代目ゴルフは、1.4Lの4気筒ターボ・ガソリンエンジンに、駆動用の電気モーターが組み合わされたeハイブリッドと呼ばれる仕様。システム総合で203psの最高出力を発揮する。実に、フィアット128が生み出す60psの3倍以上だ。

レッドのフィアット128 1300CLとイエローのフォルクスワーゲン・ゴルフ 1.4 TSI eハイブリッド・スタイル
レッドのフィアット128 1300CLとイエローのフォルクスワーゲン・ゴルフ 1.4 TSI eハイブリッド・スタイル

車重はゴルフが1590kgで、128が823kgと、倍近い差がある。重さ当たりの馬力、パワーウエイトレシオは127ps/t対74ps/tで、ここにも小さくない開きがある。

ボディサイズを比べると、ゴルフは128より428mmも長く、200mmも幅が広い。初代ゴルフから動力性能だけでなく、安全性や利便性なども大幅に向上していることは、いうまでもない。古いイタリア車との違いは、より歴然だ。

しかし、8代目へ進化したゴルフにも、バラバラにされ分析されたフィアット128のドライブトレイン・レイアウトが継承されている。直列4気筒エンジンとトランスミッションが横向きに搭載され、前輪を駆動している。

フロント・サスペンションは、マクファーソンストラット式だし、ドライブシャフトの長さも左右で異なる。ラジエターがフロントグリルの後ろに置かれ、電動ファンがエンジンの温度に反応して作動する。

フロント・ブレーキはディスク。ステアリングラックは、ラックアンドピニオン式。なんと技術的な共通点が多いことか。

好感触な128のステアリングフィール

最新のゴルフであっても、改良が施されてはいるが、フィアット128が具現化したフロントエンジン・フロントドライブ(FF)の雛形へ驚くほど則っている。だが、時代的な違いももちろんある。

128のリア・サスペンションは独立懸架式だが、ゴルフの廉価グレードにはトーションビーム式が採用されている。高いコーナリング性能を求めなければ、スペース効率というメリットがある。試乗車は上級グレードで、独立懸架のマルチリンク式だったが。

フィアット128 1300CL(英国仕様)
フィアット128 1300CL(英国仕様)

またeハイブリッドとして、エンジンとデュアルクラッチATの間に駆動用の電気モーターが存在する。それでも、横向きで並んでいることに変わりはない。

大きさも最高出力も異なる2台だが、運転した感覚は同じ直線上にあるといえる。しかし類似点より先に、動力性能の違いへ真っ先に気持ちが奪われてしまうけれど。

フィアット128がFFであることは、乗ってすぐに感じ取れる。パワーアシストが付かないが、ステアリングホイールの操舵感は重さが丁度いい。切り込む角度に関わらず、即座にフロントが反応してくれ、印象はとてもポジティブだ。

BMCミニほどの、間髪入れないゴーカート・フィーリングではないが、それに近いステアリング精度を備えている。グリップ力が高く、直進時の安定性も高い。FFモデルとして特徴的な走り味を体現している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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