トヨタ「MR2」の後継? 2シーターのEVスポーツカー世界初公開 コンセプトを読み解く

公開 : 2021.12.15 05:45

あのLFAを彷彿とさせるスーパーカーや、2シーターの小型スポーツカーなど、注目の最新コンセプトを紹介。

2人乗りの電動スポーツカー MR2後継?

トヨタは、2人乗りの小型電動スポーツカーを開発しているようだ。このモデルは、同社の高性能車ブランドであるガズー・レーシング(GR)初のEVとなる可能性がある。

トヨタは12月14日、2030年までに30車種のEVを投入する新たな電動化計画を明らかにし、そのうちの15車種のコンセプトモデルを一挙に公開。トヨタとレクサスから発売される次期EVの姿が披露されたが、中でもこの小型電動スポーツカーは、2007年に生産終了したトヨタMR2に近いように見える。

トヨタが公開した新型EVコンセプト
トヨタが公開した新型EVコンセプト    トヨタ

2018年、AUTOCARはトヨタがMR2の復活を検討しており、電動パワートレインの採用の可能性があるという情報を掴んだ。当時、欧州セールス・マーケティング部門の責任者であるマット・ハリソンは、MR2の復活計画について「議論の段階にある」と述べ、魅力的なアイデアであることを認めていた。

豊田社長はスポーツカー愛好家として知られており、以前から「スープラ、セリカ、MR2の『3兄弟』を現代に蘇らせたい」と語っていた。スープラの発売から3年が経過し、GR86がセリカと同等の役割を果たしていることから、次なるGRモデルの開発に焦点が移っているのだろう。

今回のコンセプトは、これまでのトヨタの市販車には見られなかった過激なスタイリングを採用しており、ボディも一回り大きく見える。最も興味をそそられるのは、そのシルエットがMR2の特徴であるミドエンジン形式の復活を示唆していることだ。もしかすると、トヨタはポルシェロータスの次期電動スポーツカーと同様のスタックバッテリー方式を計画しているのかもしれない。

この方式により、パワートレインの重量が増加しても、先代のトレードマークであるダイナミックなバランスを維持することができる。また、床下にバッテリーパックを設置しないため、ドライバーはより地面に近い位置に座ることができる。

なお、新型bZ4Xに採用されているEVプラットフォーム「e-TNGA」がこのようなレイアウトに対応できるかどうかは未確認だ。これまでのところ、このプラットフォームは4輪駆動と前輪駆動にしか対応していない。トヨタは電動スポーツカーでは間違いなく後輪駆動のレイアウトを選択するだろう。

トヨタは、エントリーモデルのEVは航続距離よりも価格を優先することを示唆しており、重量を抑える必要があることから、エネルギー密度の高い全固体電池を搭載する可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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