ポルシェとアウディ、F1参加決定 VWグループ会長「今決めないと……」 時期は新規定導入の2026年か

公開 : 2022.05.04 06:25

ポルシェとアウディがF1に「参加」することが決定しました。どのような形で参加するかは明らかにされていません。

VWグループ内で「意見が分かれた」F1参加

アウディポルシェがともにF1に参加することを、親会社フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディースCEOが認めた。

ディースCEOはオンライン会見で、「(F1に参加しない)理由がなくなった」と語り、グループ傘下のアウディとポルシェがF1に参加する意向を示した。

ポルシェとアウディは、F1の新規レギュレーションが導入される2026年に参加すると思われる。
ポルシェとアウディは、F1の新規レギュレーションが導入される2026年に参加すると思われる。

また、F1への参加についてはフォルクスワーゲン・グループの取締役会で意見が分かれたことも明らかにしている。最終的には、コスト以上の収益をもたらすとして、この決定を受け入れることになったという。

ディースCEOは、F1参加はブランド価値を高めるために重要であり、競合に技術を示すための方法でもあると述べた。また、特にポルシェは他のレース活動を切り捨ててF1に集中するとのこと。

この決定は、2026年シーズンから導入が予定されているF1の新エンジン規定にも影響を受けた。ディースCEOは次のように語っている。

「(アウディの)マルクス・ドゥスマンがいつも言っているように、中規模のレーストラックでは通常、細部を最適化するだけで1シーズンあたり1秒を稼ぐことができます」

「しかし、新しいチームではそれに追いつくことはできません。トップランナーの仲間入りをするためには、5年や10年といった歳月が必要なのです。つまり、大きなルール改正がなければ流れに乗れないということです」

また、もしフォルクスワーゲン・グループがこのタイミングでF1に参加しなかった場合、次の機会までさらに10年待つ必要がありそうだという。

「2026年には合成燃料を含め、エンジンがより大きく電動化される方向に進むでしょう。つまり、新しいエンジン開発が必要で、3~4年かかるということです」

「つまり、今すぐF1を始めるか、あるいは10年間はやらないかを決めなければいけません。そして、我々の2つのブランドはそれが正しいことだと考え、優先しています」

アウディとポルシェがどのような立場でF1に参加するかは、まだ明確ではない。以前、ポルシェはレッドブル・レーシングと、アウディはマクラーレンと提携すると噂されたが、両社とも提携や買収を否定している。

AUTOCARは、アウディとポルシェからのコメントを待っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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