ルノー・キャプチャーにEテック! 個性的フルハイブリッド、小型SUVをどう変える? 試乗レポート

公開 : 2022.08.25 08:05

「ルノー・キャプチャー」のフルハイブリッド車が9/1に発売。Eテック・シリーズの最新モデルは、アルカナ、ルーテシアとどんな違いがあるのでしょう。

3車種目のE-TECH(Eテック) 日本発売

欧州車では珍しいフルハイブリッド車が、今年に入ってからルノーの手によって相次いで上陸している。

まずクーペSUVのアルカナが導入され、続いてコンパクトカーのルーテシアが加わった。そして今回3車種目として、BセグメントSUVのキャプチャーEテック・ハイブリッドが発売された。

キャプチャーに加わった「Eテック・ハイブリッド」。エンジン車のエントリグレード「インテンス」に対し、安全機能ではリア・クロストラフィック・アラート、レーンセンタリング・アシストが追加される。
キャプチャーに加わった「Eテック・ハイブリッド」。エンジン車のエントリグレード「インテンス」に対し、安全機能ではリア・クロストラフィック・アラート、レーンセンタリング・アシストが追加される。    前田惠介

ちなみに欧州ではこの中でキャプチャーのみ、同じメカニズムを用いたプラグインハイブリッド車もあるが、日本は充電環境が充実していないという理由で、フルハイブリッドの導入になったという。

Eテックのメカニズムは、基本的に3車種とも同じだ。

1.6L直列4気筒自然吸気エンジンにメインとサブの2モーターを加えたEテック・ハイブリッドで、エンジンにはドッグクラッチを使った4速、メインモーターには2速のトランスミッションを組み合わせ、合計12通りの変速を行うという。

(編集部注:エンジン側がN+4速=5通り、モーター側がN+2速=3通り。5×3=15通りのうち、N同士・同じギア比で使わない組み合わせを省いて12通り)

サブモーターはHSG(ハイボルテージ・スターター&ジェネレーター)であり、変速時に瞬時に回ってドッグクラッチのショックを吸収するとともに、シーンによっては駆動アシストも担当する。

エンジンが94ps/15.1kg-m、メインモーターが49ps/20.9kg-m、サブモーターが20ps/5.1kg-mという最高出力/最大トルクはアルカナと同一。

ちなみにルーテシアはエンジンの最高出力/最大トルクのみ、やや控えめになる。

アルカナ、ルーテシアと異なる点

2つのトランスミッションとファイナルのギア比もアルカナと共通だ。

こちらはルーテシア用と比べると、それぞれの1速のギア比が高められ、逆にファイナルは落とされている。

Eテック・ハイブリッドは、メータークラスターが7インチから10.2インチに拡大。試乗車は「レザーパック」装着車のため、シートがレザータイプ、運転席が電動式。
Eテック・ハイブリッドは、メータークラスターが7インチから10.2インチに拡大。試乗車は「レザーパック」装着車のため、シートがレザータイプ、運転席が電動式。    前田惠介

エンジン車のキャプチャーと同じ215/55R18というタイヤサイズもアルカナと一致している。ルーテシアの205/45R17と比べると、太くて大径だ。

1420kgの車両重量は、同じEテック・ハイブリッドで比べるとルーテシアより110kg重く、アルカナより50kg軽い。

グレードはEテック・ハイブリッドと、今回試乗した上級仕様のEテック・ハイブリッド・レザーパックの2タイプ。エンジン車のインテンス、インテンス・テックパックと合わせて4車種構成となる。

ボディはリアゲートに「E-TECH」のロゴが入り、マフラーが隠されるぐらいしか、ガソリン車との違いはない。RSラインを導入したアルカナのような特別仕立ては施していないということだ。

インテリアは、上下2段のセンターコンソールから生える電気式セレクターレバーのベースに「E-TECH」の文字が入り、メーターが10.2インチのデジタルとなることが特徴。

メーター表示がドライブモードのマイセンス、エコ、スポーツによって変わることは、アルカナやルーテシアのEテック・ハイブリッドと共通だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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