一層パワフルでラウド ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ 666psの試作車へ試乗

公開 : 2022.08.25 08:25

ランボルギーニのSUV、ウルスに軽量でパワフルなペルフォルマンテが登場。英国編集部がひと足先に試作車へ試乗しました。

4.0L V8ツインターボは666psへ

サーキットへ焦点が向けられたランボルギーニウラカンに設定された、ペルフォルマンテ。大柄なSUV、ウルスへも同じサブネームが与えられることに、若干の違和感がなくもない。マーケティング的なロジックは、わからなくもないけれど。

このウルス・ペルフォルマンテは、既に充分強力で速いSUVの、一層シリアスな仕様となる。アストンマーチDBXの707や、ポルシェカイエンのターボGTへ対抗する存在といえる。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(欧州仕様)

ウラカン・ペルフォルマンテと同じく、ウルスにもダイエットとパワーアップが施されている。変更の度合いは、ミドシップのスーパーカーより控えめではあるが。

フロントに搭載される4.0L V8ツインターボエンジンは、666psにまで増強された。ノーマルのウルスから16ps増しだから、上昇率は小さい。

そのかわり、車重は47kgも削られている。ボンネットがカーボンファイバー製になり、軽量なサスペンションが組まれ、防音材は一部が省略されている。車重は2150kgに仕上がった。

ランボルギーニによれば、これらの結果、動的能力は大幅に改善されたとしている。0-100km/h加速は3.3秒で、通常のウルスより0.3秒短縮。0-200km/h加速は11.5秒となり、1.3秒も縮めている。

シャシーも専用設定で明確な進化ぶり

ドライビング体験を磨くため、エンジン以外のメカニズムにも手が加えられている。サスペンションは通常のエアスプリングではなく、スチール製コイルを装備。電動機械式のアンチロール・システムは継続登用された。

トルセン式のセンターデフは、リア側へ多くのトルクを分配するようチューニング。電子制御リミテッドスリップ・デフも専用設定だ。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ・プロトタイプ
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ・プロトタイプ

ドライブモードには、砂利の浮いたような滑りやすい路面でドリフト・コーナリングを容易にする、新メニューが追加されている。その名もラリー・モードだ。

迫力の容姿は、テールゲートから伸びる大きなリアウイングと、マッシブなボディキットで武装。空気抵抗を減らすことに成功したという。

筆者が試乗を許されたウルス・ペルフォルマンテは、量産直前のプロトタイプ。イタリア南部のナルド・サーキットを、通常のウルスと乗り比べるかたちで運転させてもらった。

果たして、その進化ぶりは明確。改良を受けたエンジンとアグレッシブさを増したスロットル・マッピングの成果として、発進直後から鋭く走る。

そしてうるさい。高回転域まで引っ張れば、耳障りなほどの轟音が放たれる。標準のウルス以上に、ドラマチックな音響ともいえる。

ステアリングホイールの重み付けは変わらないそうだが、明らかにシャープでもあった。試乗車には、オプションとなるサーキット前提のピレリ・トロフェオRタイヤが履かされていたことも理由だろう。ドライ路面で一層のグリップ力を発揮する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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