ルノー・トゥインゴ TCe90 ダイナミック

■どんなクルマ?

3代目となる新しいトゥインゴは、ダイムラーが率いるスマート・ブランドと共同開発された初の5ドア・ボディであると同時に、1971年のルノー10(デイズ)以来、実に43年ぶりのリア・エンジン車である。

3.59mの全長は4名乗車のクルマとしては非常にコンパクトなのだけれど、リアの座席にはまずまずの居住空間を確保する。実際には先代に比べると全長が10cm短くなっているのだが、12cmホイールベースを延長したことが効いているのだ。

エンジニアいわく、エンジンをリアにマウントすることによってダッシュボードも前方に据えることができ、それに付随してフロントシートも前方に置けるようになったとのこと。したがって最長で2.31mの荷物を積載できるようになったというのだから、実用性は明確にレベルアップしたと言っていいだろう。

フロントのボンネット下にはラジエターやその他の液体タンクが収まるため荷物を積めるスペースは用意されないが、その代わりに前部のクラッシャブル・ゾーンが拡大されている、というのがルノー側の言い分。また鼻先にエンジンがないため歩行者と衝突しても保護できる確立は高まる。ボンネット自体も低くセットできるためAセグメント唯一の視界の良さも確保された。

自動車安全テストを行うNCAP(新車アセスメント・プログラム)での4つ星を獲得したいのはルノーも他メーカー同様。加えて今年の1月に施行されたさらに厳しいレギュレーションにおいても良い結果が得られることを確信しているのだそうだ。その自信の下支えとなっているのがメイン骨格に用いる構造用鋼。1mm四方に囲まれた範囲に120kgの荷重を与えたとしても耐えうることのできるというのだから、なかなかの実力の持ち主だ。

またエンジンをリアに置いたおかげでフロント・ホイールの切れ角を直進方向から45度にまで拡大できた点(先代はたったの30度)こそ最大のアドバンテージと言えよう。したがって最小回転 ’直径’ はわずか8.9mを実現した。

テスト車両に組み合わされるエンジンは、すでにお馴染みの3気筒ターボ・ガソリンエンジンを改良したもの。これを49度傾けた状態でマウントすることによって直立にマウントした時よりも15cm低くすることができ、リアの荷室下に収めることが可能になった。ただしそうすることによって、コンポーネントの半分は新設計することになり、リアのサスペンションはなかなか珍しいド・ディオン式を採用するに至った。

ギアボックスは因習的な5速MT。ゆくゆくはオプションにて6速のデュアル・クラッチATも選択可能になる予定ではあるが、それまでにはあと12ヶ月待つ必要がある。

ルノーは元祖ミニのように後部座席の下も荷室として利用できるようにし、結果的に52ℓの荷室拡大に成功。しかし血の滲むような努力はあまり報われず、最終的な荷室容量は188ℓにとどまる。最大で219ℓまで拡大可能ではあるが、その際の後部座席は直立状態になる。ただし後部座席を完全に折りたたみさえすれば、クラス平均の荷室容量を得ることも可能だ。

 
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