絵に描いたような美しさ 限定生産の電動オフローダー 全長4.0m強、超急速充電も実現へ

公開 : 2023.11.28 06:25

・欧州の高名なデザイナー、カラム氏による美しきオフローダーが登場。
・ツインモーター、全長4.0m強、全幅1.9mの4人乗りEV。航続距離は約270km。
・超急速充電が可能な先進バッテリー技術も導入か。

美しい高性能オフローダー

ジャガーに長年勤めた高名な自動車デザイナー、イアン・カラム氏率いるデザイン会社が「世界で最も美しい高性能マルチテレイン・ビークル」と謳う電動オフローダー、スカイ(Skye)を発表した。

カラム氏は2019年のジャガー退任後、自身の名を冠したカラム(CALLUM)という会社を設立した。スカイはカラム社初の自社ブランド車であり、設計とエンジニアリングはすべて社内で行われる。来年春にはプロトタイプが走り出す予定だ。

カラム・スカイ
カラム・スカイ    カラム

スカイは2基の電気モーターを搭載する、四輪駆動の2ドアSUVである。全長4.0m強、全幅1.9mと、ボディサイズはハッチバックのルノー・クリオに近いコンパクトなものだ。

大胆なフォルムは、その実力から生まれたものだという。ドア開口部を囲む力強い「アクセントループ」を中心としており、フラットなボディ構造に2枚の大型ドアを取り付ける。ドアの下部もガラス張りとなっている。4人乗りで、後部座席に2人分のスペースがある。

デザインを主導したのはイアン・カラム氏だが、作業の大部分はデジタルモデラーのアレック・ジョーンズ氏と、5名のサポートデザイングループによるものだという。現在、カラム社のスタッフは総勢20名を超えるが、イアン・カラム氏は常に「小規模で機敏」な組織を目指している。

先進的な急速充電バッテリーも搭載か

スカイは、イアン・カラム氏が手掛けた2001年のアストン マーティンヴァンキッシュや、独立後に引き受けた共同プロジェクトなど、さまざまなプログラムからデザインのインスピレーションを得ているという。

彼だけでなく、マネージング・ディレクターのデビッド・フェアベアン氏やエンジニアリング責任者のアダム・ドンフランチェスコ氏など、カラム社の主要メンバーには実績豊富な人材が揃う。

カラム・スカイ
カラム・スカイ    カラム

スカイは、0-100km/h加速4.0秒以下、比較的小型の42kWhバッテリーによる約270kmの航続距離を謳っている。パワートレインの仕様詳細は未公表だが、複数のサプライヤーを検討中と見られる。

シャシーは頑丈なスチール製スペースフレームで、十分な最低地上高とサスペンション可動域を持ち、複合材ボディを支える。オフロード走行においても快適性を重視し、エンジン車よりも静かで洗練された走りを目指している。しかし、ユーザーの要望によっては「無骨」なバージョンが作られる可能性もある。

また、超急速充電が可能なバッテリー(空の状態から満充電までわずか10分)も導入される可能性が高い。詳細は不明だが、カラム社が提携している英国のバッテリーメーカー、ナイオボルト社の軽量かつ長寿命、超急速充電を実現するリチウムイオンバッテリーが有力候補として考えられる。両社は最近、この先進バッテリー技術を実証するため、初代ロータス・エリーゼをベースとするプロトタイプを発表している。

カラム社は、スカイの開発が計画通りに進めば、50台を生産したいと考えている。価格は未定だが、目標として約10万ポンド(約1880万円)を目指しているようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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