名古屋の会社が手掛けた軽量EVスポーツカー 英国で実走行披露 元日産デザイナーも協力

公開 : 2023.07.18 18:05

GT-Rやキューブで知られる元日産デザイナー、中村史郎氏が手掛けるEVスポーツカー・コンセプト「EV Sport 01」が英国の自動車イベントで公開され、有名なヒルクライムに挑みました。

2シーターの軽量EV、英国で一般公開

7月13日に開幕した英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で、日本のエンジニアリング会社エイムが開発した電動スポーツカー「エイムEV Sport 01」が公開され、実走行を披露した。

EV Sport 01のデザインを担当したのは、日産自動車で長年チーフデザイナーを務めた中村史郎氏だ。1999年から日産のデザイン部門に在籍し、キューブキャシュカイ(デュアリス)、リーフGT-Rなどのデザインを監督した。2017年に日産の副社長を退き、現在は独立系のSNデザイン・プラットフォーム社を率いている。

英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023でヒルクライムに挑むエイムEV Sport 01
英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023でヒルクライムに挑むエイムEV Sport 01    AUTOCAR

愛知県名古屋市を拠点とするエンジニアリング会社エイムは、今回のEV Sport 01の開発にあたり、可能な限り魅力的なドライビングを目指した。英グッドウッドでは有名なヒルクライムに挑戦している。

2基の水冷高性能電気モーター(後輪に2基)を使用し、最高回転数は1万rpmとされる。4つのパックに分割された81kWhのバッテリーから電力を得て、合計出力490psと最大トルク80.5kg-mを発生する。

車重1425kg で、0-100km/h加速は6.0秒以下を達成できると見込まれている。

ボディパネルとモノコックシャシーには軽量化のためにカーボンファイバーが使用され、ボディフレームの大部分はアルミニウム製となっている。

フロントとリアにはダブルウィッシュボーン・サスペンションが装備され、コーナリング時の操作性を最大限に高めているという。ホイールは直径20インチ。

エイム代表取締役社長の鈴木幸典氏は次のように語っている。

「エイムEV Sport 01が目指したのは、速くて運転が楽しいこと。EVは四輪駆動が主流ですが、このクルマの性格上、後輪駆動が必要でした」

「先進的な電気モーターシリーズを独自に開発したAIM EV Sport 01は、先進的なパワートレイン開発におけるAIMの専門知識を披露するのにも最適です」

エイムは現在、EV Sport 01の限定生産の可能性を検討しているが、これは世間からの温かい反応に後押しされたものと思われる。

そのデザインについて中村氏は、「過去の偉大なスポーツカー」から着想を得たとし、「誇張された複雑な表面」を避けたデザインは、1960年代の欧州や日本のスポーツカーを彷彿とさせると語った。

エイムは、同車両を自社開発のEVモーターの能力を示すショーケースとして使用しており、自社製モデルや他メーカーへの供給を目指している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事