フォルクスワーゲン・トゥーラン

公開 : 2016.03.19 23:50  更新 : 2017.05.29 18:57

■プロローグ

“初代のトゥーランは、12年に渡って販売されつづけたロングセラーであった” ― マット・ソーンダース (ロードテスト編集補佐)

フォルクスワーゲンは1位でなければ意味がないと思っている。だからこそ、ともいうべきか昨年にはディーゼルゲートが勃発したにもかかわらず、ヨーロッパではビッグセラー・ブランドの地位を死守している。

現時点ではゴルフとパサートが、それぞれのクラスを独占しているが、ポロももうすぐのところまできている。もしこのメーカーに欠点があるとすれば、それはニッチ・モデルを商品として内包していることだろう。

たとえばティグアンの派生車種などがそうだ。今回のテストの主役であるミドル・サイズSUVのトゥーランだって、決して多くの人がこぞって買うようなメジャーなカテゴリーに属しているわけではない。

端的に表現するならば、ルノーシトロエンに対する ‘フォルクスワーゲンの強襲’ である。最新かつ最良のプラットフォーム/パワートレイン/安全装備/インフォテインメント技術でここも独占しようというわけだ。

12年という初代トゥーランの長い長いライフ・スパンののちにデビューした現行モデルは、8兆円の投資の末にできあがったMQBを下に敷くことで、先代よりも全長が長くなったうえ、横幅もわずかにワイドになった。

同社の言葉を借りるならば、“パッケージングもより優れたものとなった” というわけだ。英国仕様の場合シート数は7つ。5座を選べば同クラス最大のトランク・ルームを手にすることになる。

島国に住まうわれわれ英国人に与えられるトゥーランのエンジン展開はヨーロッパ大陸の方々さほど充実したものではないが、それでも2種類のガソリン・エンジンと3種類のディーゼル・エンジンを選ぶことができる。入門グレードは110psの1.2ℓガソリン・エンジンを搭載。その上には1.6ℓ(110ps)と2.0ℓ(150ps)のディーゼルが控えている。英国では1.4ℓのガソリン・ターボ(150ps)と2.0ℓのディーゼルが売れるはずだ。

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