ニュー・ロータス・エリーゼは軽量化が鍵

公開 : 2016.07.26 04:50  更新 : 2017.06.01 01:28

新しいロータス・エリーゼのにニューモデルは、2020年に発表する予定だと、ロータスのCEO、ジャン・マルク・ゲールズは語った。また、この新しい2シーター・ロードスターの開発は既に始められているようだ。このニュースは、2017年に過去20年間のヒストリーの中で、はじめて利益をもたらしそうだという話題と同時に飛び込んできたニュースとなる。

ゲールズは、「2020年に向けてニュー・エリーゼをリリースする計画だ。」というだけではあるが、同時に、デザイン・フィロソフィーとエンジニアリング・メイクアップについていくつかのヒントを与えてくれた。

新しいエリーゼは、最初のエリーゼS1と同様にアルミニウム・シャシー・テクノロジーが使用されるという。この基本設計は1996年のエリーゼS1から変更がなく、しかも今日のロータスのすべてのモデルに通じる基本アーキテクチャーだ。

また、この新しいエリーゼが、2010年に発表されたエリーゼ・コンセプトとはほとんど関係性がないことを、われわれAUTOCARは確認している。

現行のエリーゼは、£30,000から40,000(420〜550万円)という若干高めの価格設定であり、その価格帯のクルマに興味が持てるものしか相手にしていなかった。この価格帯も改められる期待がある。

また、新しいエリーゼは、今日のデザインとエンジニアリング・フィロソフィーに忠実なつくりとなるという。

「エリーゼのシャシーは、様々なクルマに模倣されたが、それでもエリーゼを越えるクルマはない。」とゲールズ。「ステアリング・フィールと何か特別なものとのコンビネーションがエリーゼにはある。このクルマのDNAはライトウエイトということで、その上に成り立つステアリング・フィールとパワーのバランスがある。また、同じ価格帯のクルマでは、最も速いクルマでもある。」

新しいシャシーの鍵は軽量化にほかならない。ゲールズも「コーリン・チャプマンが会社を創設した時と変わらず、われわれのベンチマークは常にライトウエイト・スポーツだ。これは、例え今後われわれがどんなクルマを作ろうとも、変更してはならないフィロソフィーだ。」とコメントしている。

今年のジュネーブ・モーターショーで公開したエリーゼ・カップ250も、その重量は921kgに抑えられている。「軽量化はハンドリングからスピードまですべてにおいて有利となる。」としている。

アメリカの安全基準を満たすことを前提としながらも、新しいエリーゼの車輌重量は900kgに目標設定されているという。確かにエリーゼS1の725kgよりは重たくなってしまうが、エアバッグを含め、年々厳しくなる安全基準を満たすために、これは致し方がないということか。それでも、3.7mという全長を変更する予定はないという。

また、ドライバーのためにキャビンへのエントリーを容易することも大きな目標だ。この点についてはロータスは最新作のエヴォーラのシャシーでそれを成し遂げており、このアイデアが新しいエリーゼにも活用されるものと思われる。

現在、ロータスはエヴォーラ400のアメリカ市場での販売を開始したばかりだ。「現在、われわれの最大の市場は、日本、英国、ドイツ、そしてフランスだ。この順番は変わりない。しかし、今年の夏にアメリカ市場で販売を開始したエヴォーラ400によって、更に素晴らしい収益が期待できると思う。」とゲールズは語っている。

20年前にジュリアン・トムソンが設計したオリジナル・デザインは、新しいエリーゼではより現代的にリフレッシュされるものの、デザイン・キューは保持されるともいう。

また、エミッション規制によってパワー・ステアリングが必要となるかもしれないとしながらも、ロータスのDNAは常にステアリング・フィールにあるとし、例えパワー・ステイアリングが採用されるとしても、そのステアリング・フィールが鈍化することはないとも語っている。

エンジンは、現在のロータスはトヨタのパワーユニットを使用しているが、パワーアウトプットに関しては文句もなく、しかも信頼性が高いことを評価している。「トヨタとの関係について多くの投資を行っているが、それは本当に成功している。」とコメントしている。

エンジン・パワーは現行の135〜246psまでのバリエーションがそのまま使用される模様。また、アメリカ市場ではオートマティック、それ以外ではマニュアル・ギアボックスが主流となるが、そのギアボックスも引き続きトヨタから供給されることになろう。

ロータスが2017年に初めて利益を生み出せそうなことから、新しいエリーゼの開発に着手したという。また、アメリカ市場で250台のオーダーを受注したエヴォーラ400だが、その売上の中心は日本およびヨーロッパ各国であるという。

ロータスは2016年4月から2017年3月の期間に、はじめて2,000台をいう販売台数を記録することになりそうだが、2020年には3,000台にまで引き上げることを目標としている。

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