ロータス・エリーゼを友人から借りてみた 新モデルで通用する走り 25年前より魅力的

公開 : 2023.12.07 19:05

強烈なインパクトを与えた初代エリーゼ 25年前より魅力は大きいとする筆者 今でも最高のドライバーズカーと呼べる傑作を、英国編集部が振り返る

注目を維持するための小さな改良

筆者の友人、サイモン・スコット・ラッセル氏は、ロータスを専門に扱うガレージを営んでいる。しばしば、愛犬のラブラドール・レトリバーの写真などと一緒に、レストア中のエリーゼの様子も送られてくる。

いつも通り、スマートフォンのアイコンへ通知マークが付く。だが、そのショートメッセージは2度見した。「去年は50kmも走らなかったから、僕のS1を数か月走らせてみませんか。作業場に空間の余裕も必要なので」

ロータス・エリーゼ・シリーズ1(1996〜2001年/英国仕様)
ロータス・エリーゼ・シリーズ1(1996〜2001年/英国仕様)

自宅には、屋根の付いたガレージはない。広くない敷地に、クラシックカーが2台とバイクが1台停まっている。筆者も、去年はそれぞれへ充分に乗ることはできなかった。

実際のところ、クルマが更に必要なわけではない。それでも、即答でYESと返信してしまった。当然だろう。S1とは、ロータス・エリーゼ・シリーズ1を指しているのだから。

初代エリーゼの生産は、1996年に始まった。彼のシルバーのS1は、まだ話題の新鮮さが残っていた1998年式だ。

エリーゼは比較的長く生産されたが、注目を維持するための小さな改良が毎年のように繰り返された。彼のS1も、ホイールは僅かに軽量化されている。サスペンションにも微調整を受けている。

1996年7月に実施した試乗テストの取材では、ロータスのディーラーは大きな反響へ嬉しい悲鳴を漏らしていた。「問題なのは売ることではありません。供給の方です」

25年前よりエリーゼの魅力は大きい

スポーツカーを再定義したともいえた。「過去のセブンを置き換えるモデルではありません。エリーゼは過去にとらわれず、前を向いています。ドライバーへの訴求力を塗り替える、新しいスポーツカーです」。と、当時のAUTOCARはまとめている。

このクルマが製造された時、その主張は完全に当てはまっていた。ただし彼のシリーズ1は、保険会社が廃車扱いにするほど過去に重大な事故へあっている。だが、修復が不可能なのではなく、費用を考えれば同等のクルマを買った方が安いだけに過ぎなかった。

ロータス・エリーゼ・シリーズ1(1996〜2001年/英国仕様)
ロータス・エリーゼ・シリーズ1(1996〜2001年/英国仕様)

車両価値に大きな影響は残ったものの、彼の技術力で見事に修理されている。エリーゼのアルミニウム製シャシーは、基本的に外から全容を観察できるが、被害の痕跡はまったくない。走り込まれたS1であること以外、知らされなければ気付かないだろう。

25年前より、エリーゼの魅力は筆者の中で大きくなっている。知的な設計のアルミ製シャシーは、従来より美しく感じる。

10万km近く走っているから、シートカバーは傷んでいるし、FRP製ボディには飛び石傷も多い。サイドシルはシャシーに接着されており、エリーゼの再塗装は容易ではない。この年式のクルマとしては、見た目は悪くないように思う。

ソフトトップはオリジナルのようだが、しっかり雨をしのげる。少しコツはいるが、数分かけて折り畳めば、エンジン後方の荷室へ収納できる。プラスチック製のヘッダーレールは、簡単に脱着できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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