新排ガス基準WLTP導入 各メーカーへの影響、予想以上に CO2増加量を大幅増

公開 : 2018.08.08 15:40

9月1日以降、排出ガス測定について今までのNEDCサイクルに代わり、新たにWLTP試験が導入されます。この規制はより現実での走行環境に近い数値を出すことを目的としていますが、その導入による各メーカーへの影響は今までの予想以上に大きくなりそうです。

もくじ

WLTP導入 予想以上に大きな影響
各モデルの再認証にも遅れ

WLTP導入 予想以上に大きな影響

今までのNEDCサイクルに代わって導入されるWLTPによって測定されたCO2排出量は、今までの想定以上に厳しい数値となる可能性がある。自動車業界アナリストのJATOが見解を表明した。

WLTPテストはより現実世界に近い環境でのテストを目的とし、今年9月1日から施行される。この日以降、WLTPでの規制に適合した車両のみが販売を許可される。この準備のため、EUサイエンス・ハブがCo2mpasというツールを開発した。このツールは現在のNEDCでの数値からWLTPでの数値を計算することができる。

しかし、JATOによれば、このふたつの数値の乖離は予想以上に大きなものとなるようだ。高級車においては、平均的に18.3g/km程度の増加となる。これは課税額にも影響を及ぼす差だ。

4月に発表された予想では、CO2排出の平均増加量は8g/kmとされていた。JATOはその予想を9.6g/kmへと改めた。最も影響が大きいのは高級車だが、反対に影響が小さいのはシティカーで、平均6.6g/kmの増加と予想されている。ボリュームゾーンとなる中型SUVでは16.7g/kmとされている。

JATOのスポークスマンはいう。「WLTP試験の導入の影響は今まで考えられて来た以上に大きなものとなりそうです。今までに再認証を受けたクルマから推定する限りでは、2019年のCO2排出量の平均値は130g/kmとなりそうです。これは現在の欧州の平均とされている118g/kmよりも12g/km高い数値です」

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