ホイールサイズと乗り心地 DS 7/ミニ・クーパーで関係探る インチアップは慎重に

公開 : 2019.06.23 09:50  更新 : 2021.03.05 21:42

スタイリングの魅力を向上させるには、ホイールのインチアップが手っ取り早い方法ですが、多くの場合、乗り心地の悪化という避けがたいデメリットが付随しています。さらに、大径ホイールにはその他にも考慮すべき点があるようです。インチアップはくれぐれも慎重に。

もくじ

対照的なモデル 驚きの結果
矛盾の塊 事態は複雑
乗り心地以外にも問題 決断は慎重に
番外編:ハイパフォーマンスモデル 乗り心地の秘密

対照的なモデル 驚きの結果

ホイールサイズがそのクルマの乗り心地にどれほど影響を与えるかについては、これまでも数多くの記事が書かれてきたが、それは、インチアップにはスタイリング上のメリットがある一方で、多くの場合、ダイナミクス性能に悪影響を及ぼすというデメリットが存在するからだ。

だが、こうした主張が多くの賛同を得ているとは言い難い。すべてのニューモデルで、ホイールサイズは拡大の一途を辿っており、ドライバーもこのトレンドを受け入れているようだ。

さらに、SUV人気がこの傾向に拍車をかけており、その大柄なボディを引き立たせるべく、同クラスのハッチバックやサルーンに比べ、はるかに大きなタイヤサイズを選択している。

だからこそ、こうした事態に警鐘を鳴らすべく、ハッチバックのミニ・クーパーと、SUVのDS 7クロスバックという、対照的な2台を比較するのが一番だと考えたのだ。

まさに豪華なプレミアムSUVとして、DS 7が20インチのホイールに235/45サイズのコンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5というセットアップを採用する一方で、ミニの足元を飾るのは、10年前であれば一般的だったものの、現行モデルとしてはもっとも小径となる15インチホイールと、175/65サイズのミシュラン・エナジーセーバーだ。

かたやスポーティさが売りのスーパーミニであり、もう一方は快適性を重視したSUVなのだから、直接対決させるのはフェアではないとも思ったが、実際には、ミニの方がよりスムースで安定した走りを見せ、さらには乗り心地の快適さでも上回っていたのだから驚きだった。

市街地とB級路を舞台に、さまざまな速度レンジや路面が入り混じったテストコースで、ミニの腰のある落ち着いたダンピング性能と、柔らかなサイドウォールの組み合わせは、素晴らしい輝きを放っていた。

つねに路面の状況が伝わってくるとともに、プライマリーとセカンダリーライドと呼ばれる、ボディを一定に保つ能力と、たとえ最悪の路面であっても衝撃を見事に吸収する能力によって、その快適な乗り心地が失われることはなかった。

この見事な乗り心地とホイールサイズの関係をさらに調査するべく、われわれは、路上の大きな穴に出会った際の衝撃吸収性能には劣る、より大径のホイールとタイヤをミニに履かせて試してもいる。

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