【アフリカの悪路を3日間】ランドローバー・ディフェンダー110 Sへ試乗 後編

公開 : 2020.03.29 10:20

伝統のディフェンダーという名を冠した新モデルが登場しました。期待にそぐわないオフロードの走破性を備えているのか、どんなドライビングフィールなのか、英国編集部がアフリカ・ナミビアの砂漠で徹底的に評価しました。

もくじ

田舎道をゆったりと流せる乗り心地
オフロードタイヤでも確かな足取り
ガソリンもディーゼルも充分に力強い
岩場も河川も簡単にこなしてしまう
世界でも有数の秀でた能力
ランドローバー・ディフェンダー110 Sのスペック

田舎道をゆったりと流せる乗り心地

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいランドローバー・ディフェンダー110 Sの好印象は、路面からの衝撃をなだめる能力から始まる。インテリアの素材感も良好。アドベンチャー感を演出するためか、構造部材が露出し、トルクスボルトのヘッドが表面に出ている。

沢山の小物入れと、充電ソケットも用意されている。自動車旅行を長期間楽しめばわかるが、これらはとても重要なアイテムだ。

ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)

タッチモニター式のインフォテインメント・システムも備わる。ランドローバー製としては初めて、動作が機敏で映像はクリア。扱いやすい。

フロントには2名用のシートか、2+1名用のシートを装備できる。中央の一段高いシートは短時間なら許せるが、それ以上座っているのは難しい。リアシートには3名がけのシートがある。足元も頭上も、空間は広々。

ルーフの両脇に開けられたトップ・ウインドウもいい感じだが、遠い位置ののぞき窓程度。さらに後ろには2名がけの3列目シートも用意できる。簡易的なものではない。

荷室は、2列目シートを生かした状態で916L。2列目を折り畳めば2233Lにまで広がる。横開きではなく上に跳ね上がるリアハッチなら、もう少し広い空間を得られたかもしれない。

操作系の重さは、旧来のディフェンダーとは異なる。軽快で好感触で漸進的。田舎道をゆったりとした気持ちで流すことができる。能力自慢のクルマとして、とても重要な要素だと思う。ランドクルーザーも似たところがある。

オフロードタイヤでも確かな足取り

過酷な路面状況で長時間ドライブするなら、優れた人間工学にもとづいた扱いやすさが必要だと想像がつくだろう。究極のオフロード性能を引き出せるだけでなく、疲労も軽減してくれる。

乗り心地は良い。広く空いた道を、大きく深呼吸するように進んでいく。直進時に限らず、ステアリングは情報量豊かではないものの、正確で安定性に優れる。

ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)

オフロード中心の試乗ではあった。短いアスファルト路面の印象から察するに、ディフェンダーは英国や日本での長距離ドライブも魅力的なものになるだろう。

ステアリングは切り込んで負荷がかかるほどに重さが増し、反応が良くなっていく。乗り心地はしなやかで落ち着きがある。姿勢制御は引き締まっており、ボディロールも抑制されている。

タイヤはオンロード用のものではなく、ブロック状のオフロード用。ルーフラックとラダーが取り付けられ、高い位置にはスペアタイヤも載せている。運動性能的には足を引っ張るはずだが、ディフェンダーが確かな足取りで進むことに感心した。

スペアタイヤやオフロード用キットは、地形上必要な装備。岩が露出した場所から、一面が砂利で覆われた場所、巨大な岩山まで、思いつくオフロードがすべてナミビアには揃っている。そこを、タイヤのサイドウォールも使って走る。

砂丘のような砂漠も、河川もある。試乗した時は干からびる前で、水遊びも沢山できた。川底は深い泥で覆われている。滑りやすい草原もあった。英国なら、よく出くわすオフロードだ。

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