【期待と疑問】日産アリア販売開始、2021年半ば 価格はレクサスRX級 どうなる130kW急速充電?

公開 : 2020.07.16 11:50  更新 : 2021.06.04 11:13

日産の新型EV「アリア」が発表。ですが、価格や充電インフラなどについて、十分な情報が配信されないままでした。アリアに立ちはだかる課題を整理し、価格やサービスなど期待されることをわかりやすく整理しました。

日産アリア、登場するも……

text:Kenji Momota(桃田健史)

「日産の新たな扉を開くモデルだ」。内田誠CEO(最高経営責任者)が自信に満ちた表情で、「アリア」を紹介した。

英語の資料には「ニュー・チャプター(新しい章)」という表現もある。

日産アリア
日産アリア    日産

大いなる期待を持ってオンラインで世界初公開された、日産の新型EVアリア。

2020年7月15日に車両スペック詳細を公開したにもかかわらず、日本での発売時期は1年ほど先の「2021年中頃」という。

日本国内販売価格については「お客様の実質購入価格は約500万円からになる見込み」という表現だ。

約40分間のプレゼンテーションの中で、発売時期についてはプレゼンテーションの最後に司会進行の女性が「来年の発売が待ち遠しい」と表現しただけで、日産側からはコメントなし。

価格については、プレゼンテーションの中で一度も触れられていない。

その他、充電に関しても十分な情報が配信されているとは思えない。

結局、今回の発表は、単なる新車の発表ではなく、日産の事業再生に向けた意欲を示す場であったように感じる。

見方を変えると、これが日産が目指す新しいオンライン発表会の形であるのかもしれない。

従来のように報道陣向け発表会ではなく、ユーザーに対して日産の思いを直接伝えるため、技術要件については最小限に抑えたともいえる。

コンセプト同様のルックスと動力性能

日産本社のほど近く、期間限定(一般公開は2020年8月1日から)で開催する展示施設、日産パビリオンで開催された、オンライン発表会。

画面に登場した、新型アリアの姿は、2019年の東京モーターショーに登場した「アリア・コンセプト」とほとんど同じ印象を受けた。

2019年の東京モーターショーに登場した「アリア・コンセプト」
2019年の東京モーターショーに登場した「アリア・コンセプト」    日産

量産車のボディ寸法は、全長4595mm×全幅1850mm×全高1655mm、ホイールベースは2775mm。

コンセプトモデルは、全長4600mm×全幅1920mm×全高1630mmだったが、量産車の幅が狭いといった印象もなく、ほぼ「コンセプトモデルと同じ」という印象だ。

デザイン統括者は、こうした量産までの流れが、日産としては珍しいとし、日産がいかにアリアを特別視してきたかとの点を強調した。

インテリアには、コネクティビティ技術を満載した利便性を重視しつつ、「日本のモダンなラウンジ」のイメージを具現化した。また、日産がいう、自動運転技術を活用した高度運転支援システムのプロパイロット2.0を搭載する。

さて、EVとして最も気になるのが、モーターや電池など電装品だ。

アリアの駆動方式には、2WDとe-4ORCEと呼ぶAWDがあり、それぞれに電気容量65kWhと90kWhの2種類のバッテリーパックがある。

それらに応じで、モーターの最高出力と最大トルクは、1モーターで160kW/300Nmと178kW/300Nm、2モーターで250kW/560Nmと290kW/600Nmの4仕様がある。

気になったのは、充電についてだ。

関連テーマ

おすすめ記事