心打たれるインテリア レクサスRX 450h+ PHEVへ英国試乗 快適性も大きな強み

公開 : 2023.03.05 08:25

95%が新しいといわれる最新のレクサス RX。総合309psを生むPHEV版の仕上がりを、一般道で英国編集部が評価しました。

3種類のハイブリッドが用意されるRX

レクサスは新技術に積極的だ。最新のプレミアムSUV、RXにも14インチのタッチモニターに音声アシスタント、スマートフォンとの連携機能など、一通りの内容が漏れなく与えられている。

だが、それ以上に心が打たれたのは、慎ましく上質なインテリアだった。細部まで丁寧に作り込まれ、落ち着いており、運転中の集中力を長く維持できるように感じた。

レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)
レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)

このRXは、BMW X5メルセデス・ベンツGLEランドローバーレンジローバー・スポーツなどを競合にする、全長4890mmのSUV。北米では一定の支持を集めているが、欧州では他ブランドに水をあけられてきた。ディーゼルがないことも不利といえた。

しかし近年は、欧州でも強いディーゼル志向から変化しつつある。レクサスにとって、形勢を立て直すチャンスといえるだろう。

新しいRXが採用するパワートレインは、4気筒エンジンを軸とする3種類のハイブリッド。今回試乗したのは、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の450h+だが、他にプラグインではないハイブリッドの350hと、高性能版の500hもラインナップする。

PHEVの450h+は、エンジンを始動せずに最長67kmを走行可能で、英国市場では主力になると予想されている。会社からの貸与車両として乗る場合は、掛かる税金を抑えられるためだ。

エンジンを掛けずに56km走行可能なPHEV

e-CVTと呼ばれるトランスミッションを介して前輪を駆動するのは、184psを発揮する2.5L自然吸気4気筒エンジンと、182psの駆動用モーターという組み合わせ。後輪は、もう1基の54psの駆動用モーターが受け持つ。

RX 450h+の駆動用バッテリーはフロア部分に敷かれ、容量は18.1kWh。試乗では実際の走行可能距離までは確認できなかったが、満充電でのスタート時には56kmが示されていた。

レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)
レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)

ちなみに、過去に筆者がトヨタRAV4 PHEVを試乗した限り、メーターパネルへ表示された数字と実際に走れる距離はほぼ一致していた。RX 450h+が搭載するシステムはこれに近いから、同様と考えて良いだろう。

競合モデルとなるBMW X5 xドライブ45eや、レンジローバー・スポーツP440eなどの走行可能距離と比較すると、RX 450h+は若干短い。とはいえ、多くの人がエンジンを始動せずに毎日の通勤をこなせるはずだ。

前後の駆動用モーターが生み出す合計での出力は236psあり、滑らかで充分に力強い。バッテリーEVのように運転できる。

ハイブリッド・モードでは、アクセルペダルを踏み込むとエンジンが始動し、CVT特有のラバーバンド感を伴う。とはいえ、駆動用モーターが積極的にアシストするため、質感を悪くするほどではない。車内に届くノイズも小さい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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