【ブランドらしさを高めた2代目】ロールス・ロイス・ゴーストへ試乗 6.75L V12 後編

公開 : 2020.09.20 10:20

気品あふれる特長を受け継いだ、最新で2代目のロールス・ロイス・ゴースト。カリナン由来のドライブトレインと新アーキテクチャを採用し、すべての面で深く磨き込まれています。英国編集部が一般道で評価しました。

ゴーストとファントムとの走り味の違い

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ロールス・ロイス・ファントムとゴーストのオーナーの違い。それは、自らの豊かさをどれだけ主張したいか、の違いといってもいい。あるいは、どのようにロールス・ロイスを走らせたいか、の違いでもある。

この2台には、走り味の違いがある。当然のこととして。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)
ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)

どちらにも、ロールス・ロイスとして固有のリラックスした素地がある。一部のライバルのように、一切の足かせや妥協なしに、運転が心地良い。

例えばベントレーの場合、ラグジュアリーでありつつ、スポーツカーであることも求められる。最高速度は320km/h、とまではいわなくても。

もちろん、その達成を目指した結果は素晴らしい。電圧48Vで高速に作動する、アクティブ・アンチロールバーは、クルマをできるだけ水平に保ってくれる。それでいて、乗り心地は上質なまま。

一方のロールス・ロイスは、スポーツカーである必要はない。長周期での揺れや、多少のボディロールも許されるから、乗り心地の面では有利に働く。

一般道でのゴーストの乗り心地は、車内の静寂によく合う。ゆったりとした周期で、宙に浮いたような感覚がある。さらにファントムより動きが小さく、引き締められた印象を受ける。充分にラグジュアリーであり、快適だ。

車線変更を試みると、後輪操舵が機能し、穏やかに隣の車線へボディが滑る。大きなファントムやカリナンの場合、落ち着いた中にも若干の緩さが伝わってしまう。

オーナーが運転することにも腐心されている

高速域で鋭い起伏などを通過すると、リアタイヤが横方向へ不意に小さく振動することに気付いた。フロントのサスペンションからのノイズも、わずかに耳に届く。ただし、相当運転に集中していた状況に限る。

車内空間の静寂さで、余計に目立ってしまうのかもしれない。ステレオのボリュームを上げれば済む。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)
ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)

ステアリングホイールの操舵感は、適度に軽く、レシオの設定も穏やか。精度は極めて高いものの、手のひらに伝わる感触はほとんどない。不思議なことに、多くのスポーツカーの重たいステアリングより、印象的で好感触なものに感じられた。

セルフセンタリングは、多くのビッグサルーンほど強くはない。積極的にステアリングホイールを握り変えてもいいけれど、静かな車内では大きな操作音になってしまう。穏やかに切り替えす方が、ゴーストには合っている。

それ以外の操作系の重み付けも、素晴らしい。ゴーストは、運転してもらうだけでなく、運転することにも腐心されている。狙った通りの制動距離で停止し、再び滑らかに発進する。

相当な加速力を味わうこともできる。かなり楽しい。最高速度は249km/hに制限されている。車重は2490kgもあり、前面投影面積も大きいが、すぐにスピード・リミッターには当たりそうだ。

強いエネルギーを求めれば、エンジンは沈黙を破る。高級感のある響きを、控えめに車内へ届ける。8速ATは、ドライバーが段数を選べないが、反応は良い。

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