【オススメしたいがネックは価格】トヨタRAV4 PHEVへ英国試乗 306psの優れたシステム

公開 : 2021.02.09 10:25  更新 : 2021.07.27 14:51

トヨタの主力SUV、RAV4のプラグイン・ハイブリッド版が英国へ上陸。優秀なPHEVシステムと、良好な乗り心地や操縦性を英国編集部は評価します。

システム総合306psの最強RAV4

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
トヨタのSUV、RAV4のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版が英国へ上陸した。電気の力だけで短距離なら走行可能で、ガソリンエンジンに慣れたわれわれとしては、純EVへシフトする前の心の準備になる。

欧州で一般的なカンパニーカー、会社から社員へ貸与されるクルマに課せられる税率でも、PHEVは有利。一方で、財源となっていた内燃エンジンだけのクルマの割合は、減りつつある。

トヨタRAV4 PHEV AWD-iダイナミック(英国仕様)
トヨタRAV4 PHEV AWD-iダイナミック(英国仕様)

PHEVが含む意味は色々あるものの、RAV4のPHEVが印象深い仕上がりであることは確かだ。詳しく見ていこう。

表面上は、標準のRAV4と大きな違いはない。フロントに2.5Lの4気筒ガソリンエンジンを搭載し、電気モーターが組み合わされる。その力は、CVTを介してフロントタイヤへ伝えられる。

リアタイヤ側には、ひと回り小さい電気モーターが別に搭載される。形式としては四輪駆動となり、プラットフォームも同じTGA-Kを採用している。

もちろん、PHEVとしての違いもある。英国版ではガソリンエンジンは184psを発揮し、フロントの電気モーターは182psを生み出す。通常のハイブリッドでは、電気モーターは121psだからかなり強力。リア側の電気モーターは同じ54psとなる。

これらが組み合わさり、英国版のRAV4 PHEVのシステム総合出力は306psに達する。RAV4の中では、一番強力なモデルとなっている。

フロア下に搭載されるリチウムイオン・バッテリーの容量は、今のPHEV基準では大きめの18.1kWhへ増やされている。WLTP地での航続距離は74km。家庭用充電器を用いて、2.5時間で満充電にできる。

滑らかで余裕ある走りのEVモード

ドライブモードは4種類。どれもよく考えられている。

RAV4 PHEVを発進させるとき、デフォルトはEVモード。バッテリーの充電量に不足がなければ、最大135km/hまで加速できる。アクセルペダルを踏み込んでキックダウン・スイッチに当てても、ガソリンエンジンは始動しない。

トヨタRAV4 PHEV AWD-iダイナミック(英国仕様)
トヨタRAV4 PHEV AWD-iダイナミック(英国仕様)

トヨタによれば、電気モーターだけでの0-100km/h加速は10.0秒としているが、交通の流れに余裕でついていける。アクセルペダルの反応も良好で、とても滑らかに走る。

2つ目のドライブモードが、 EV/HV(ハイブリッド)モード。基本的にはEVモードと同じだが、アクセルペダルを踏み込むとガソリンエンジンが目を覚まし、加勢してくれる違いがある。

電気モーターとガソリンエンジンとの協働や引き継ぎは、知的でスマート。ガソリンエンジンは、アクセルペダルを深く踏んでいるとき以外、ほとんど存在感がない。

3つ目がHVモード。これは通常のハイブリッド版RAV4と動作は同じ。最後がチャージ・モード。エンジンの力を利用して、バッテリーを充電しながら走行できる。

PHEVを運転するとき気をもむのが、冬場の寒い気温によるEVモードでの航続距離の減少。英国編集部で乗っているシトロエンC5エアクロス PHEVの場合、今の季節では27kmも走れれば良い方だ。メーカー公表の航続距離は、53kmとなっているのに。

寒いときにPHEVで移動する際、欠かせないのが充電したまま、事前にクルマを暖めておくこと。エアコンでバッテリーを減らさずに済む。そうしておけば、RAV4 PHEVも気持ちよく走れる。

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