【なぜ売れない?】中古スーパーカー 欧州で価格下落続く メーカーと社会状況に原因

公開 : 2021.02.09 18:05

欧州で高級スーパーカーの売れ行きが怪しくなっています。その原因を英AUTOCAR編集部が探りました。

もくじ

選択肢が多すぎる
下落を続ける中古スーパーカー
今、派手すぎるクルマは売れない
「アイコン」となるモデルに注目

選択肢が多すぎる

text:AUTOCAR UK編集部
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

2020年、スポーツカーの販売台数は前年比7%増となり、新車市場全体の2.9%を占めるようになった。外出機会が減っている中、かなり印象的な売れ行きだ。

大半はアウディTTやマツダMX-5(ロードスター)のような比較的手ごろなモデルだが、フェラーリやランボルギーニといった高級ブランドのスーパーカーはどうだろうか?

フェラーリ488ピスタ
フェラーリ488ピスタ

残念ながら、バラ色とは言えない。フェラーリを除いて、全体的にスーパーカーの販売台数は減少している。ジェイトー・ダイナミクス社のアナリスト、フェリペ・ムノスによると、欧州の3大市場(英国、ドイツ、スイス)ではスーパーカーの価格が0.8%下落したという。

「これは主に、比較的安価な仕様の導入と、最も高価な仕様への需要の低下の結果です」とムノスは述べている。

この見解は、AUTOCARが話を聞いた多くのディーラーの意見とも合致する。英ノースヨークシャー州にあるアレクサンダーズ・プレステージ社のマネージングディレクター、アンドリュー・ノースは、2020年は20万ポンド(約2800万円)以下のスーパーカーの販売は非常に好調だと語った。

実際、ノースは8月だけで7台のフェラーリ488を「強気の値段」で売ったという。しかし、ハイエンドモデルを作るメーカーが多すぎて、それが価格だけでなく需要の減少を招いているとも述べた。

彼はその例としてマクラーレンを挙げ、あまりにも多くのモデルを作っているため、選択肢が多すぎると述べている。「マクラーレンは自業自得です。ですが、マクラーレンだけではありません」

下落を続ける中古スーパーカー

オークションサイト「Collecting Cars」の創設者であるエドワード・ラベットは、次のように語った。

「メーカー各社が競い合っているので、マクラーレン・エルバ、アストン マーティン・スピードスター、フェラーリ・モンツァSP1とSP2があります。こうしたクルマの買い手をすべて知っているわけではありません」

マクラーレン・エルバ
マクラーレン・エルバ

買い手は依然として、究極の「独占性」を求めている。自身の名前を冠したディーラーの創設者であるトム・ハートリーは、ベントレー・パイクスピーク・コンチネンタルGTを引き取ったばかりだが、これは右ハンドル仕様で製造された3台しかないうちの1台だ。

「3台しかないので、ベントレーのコレクターがわたしからこのクルマ買うことになるでしょう。買い手は世界でたった3人しかいないオーナーのうちの1人になるでしょう」とハートリー。

人々は究極の独占性を求めて高額を支払うが、ハートリーは、上昇したものは下がる可能性があることを覚えておくことが重要であると述べている。2008年の金融危機後に見られた価格上昇は間違いなく終わり、中古スーパーカーの価格は2016年以降25~30%下落している。

ニューモデルでさえ、ファミリーカーと同じように減価償却に直面することがよくある。ハートリーによると、2018年にフェラーリ812スーパーファストを42万5000ポンド(6095万円)で販売したが、取材の1週間前には同じ2018年モデル(走行距離3200km)を22万ポンド(3155万円)で販売したという。

ラベットは、「わたしが思うに、買い手はいささか世間知らずで、何のコストもかけずに非常に高価なクルマを乗り回せると考えていたのではないでしょうか」と述べた。