【インポートカー】2月の登録台数、明暗分かれる BMWアルピナは前年比2倍に

公開 : 2021.03.18 11:45  更新 : 2021.10.11 09:41

緊急事態宣言が続く2月、輸入車の需要は前年同月比96.0%と健闘しました。新型ゴルフの導入を控えるVW。昨年から好調のアルピナの実績は?

緊急宣言継続も、順調に回復

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)

2月の外国メーカー乗用車の新規登録台数は1万9744台で、前年同月比で96.0%と前月に比べ1.1ポイント低下してしまった。

全体的には前年越えのメーカーが多いのだが、量販大手のフォルクスワーゲン(前年同月比57.8%)の不調が影響した。しかし、この春から新型ゴルフが導入されるので前年超えとなる日も近いと思われる。

コロナ禍のなか、高価格帯のクルマで順調に実績を伸ばすブランドがある。BMWアルピナもその1つ。
コロナ禍のなか、高価格帯のクルマで順調に実績を伸ばすブランドがある。BMWアルピナもその1つ。

国産の乗用車の登録台数は、もともと弱い2月ということもあり22万6954台で前年同月比97.3%に低下。軽乗用車は13万4937台で1月に比べ各メーカーともプラスに転じ、前年同月比も104.7%と好調。クルマに対する需要が衰えていないことが伺える。

外国メーカー乗用車の新規登録台数をブランド別で見てゆくと、今月もイタリアとフランスのメーカーが伸びていた。ステランティス・グループのFCA/PSAは今月も好調。一方で、ルノーは新型ルーテシアの投入効果によりプラスに転じた。

受注から納車まで時間が掛かるエクスクルーシブ・クラスでは、2月はアストン マーティンが47台(前年同月比261.1%)。ロールス・ロイスが20台(前年同月比153.8%)と実績を伸ばす。

このカテゴリーで注目したい存在が、昨年秋から好調なセールスを続けるBMWアルピナだ。その理由を探ってみた。

BMWアルピナ なぜ伸びた?

真のエンスージァストを魅了するBMWアルピナは、高いパフォーマンスを備え、オーナーの趣味性を物語るさり気ない姿の中に爪を隠したエクスクルーシブなモデルを送り出してきた。

日本では総代理店のニコル・オートモビルズが1983年に取扱いを開始して以来、じっくりと育ててきたこともあり、独自のステイタスを築く。

絶対的な登録台数はもちろん少ない。しかし、こうした趣味性の高い高額モデルの売れ行きは、ときとして量産ブランドの実績の増減よりも示唆に富むものがある。
絶対的な登録台数はもちろん少ない。しかし、こうした趣味性の高い高額モデルの売れ行きは、ときとして量産ブランドの実績の増減よりも示唆に富むものがある。

「いつかはアルピナ」という憧れを抱かせる存在となっている。

BMWアルピナの登録台数を見てゆくと2020年中盤はコロナ禍で落ち込んだものの、10月に前年同月比で130.0%に回復。以来前年超えで推移し、2月は31台の登録を数え前年同月比206.7%と躍進を遂げている。

ニコル・オートモビルズに好調の理由を問うと、「10月から新型B3(G30系)が導入されたことと、国内発売を開始したばかりのディーゼルのD3 Sが人気を集めています。2月の登録台数を牽引したのがD3 Sで、約半分を占めます」と状況を説明してくれた。

さらに、「カーオブザイヤーを受賞して注目を集めたB3を数多く受注しましたが、登録に反映されるのは6月以降になります。おかげさまでB3の年内納車分は完売になりました」

「コロナ禍の影響でアルピナ社の生産調整が続いていて、この先の配車スケジュールは不透明です。気になるモデルがある方は、早めのお申込みがおすすめです」と教えてくれた。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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