【自動化への大きな一歩】英国運輸省 同一車線内の自動運転合法化へ 年内にも実現か

公開 : 2021.04.29 06:25  更新 : 2021.07.12 18:52

英国で法整備が進み、早ければ年内にも、高速道路の同一車線内でハンズオフ運転ができるようになる見込みです。

年内にも低速での自動運転が可能に?

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

英国運輸省(DfT)は、自動車線維持システム(ALKS)を搭載したクルマを自動運転車として法的に定義する計画を発表した。これにより、低速時におけるハンズオフ運転が合法化されることになる。

この計画が承認されれば、英国の道路で自動運転を実現する第一歩となる。すでに一部のクルマにはALKSが搭載されているが、自動運転車として分類されていないため、ドライバーがハンドルから手を離すことは違法だ。

ホンダは3月、「レベル3」の自動運転機能を備えたレジェンドを日本で発売した。
ホンダは3月、「レベル3」の自動運転機能を備えたレジェンドを日本で発売した。

型式承認を受け、「自動運転の能力を疑うような証拠」がなければ、年内にも高速道路上で、60km/h以下の速度でハンズオフ運転が可能になる。

DfTは、ALKSを「単一車線での自走を可能にしながら、必要に応じてドライバーに容易かつ安全にコントロールを戻す能力を持つ」ものと定義している。DfTによると、事故の85%以上はヒューマンエラーが原因とされており、この技術は交通安全の向上につながると考えられている。

新規制の導入には、「この技術が安全かつ責任を持って使用されるようにする」ためのハイウェイコード(高速道路の運転規則や交通標識のガイド)の変更が必要となる。この変更に関する協議は、5月28日まで行われる。

DfTは、自動運転とコネクティング技術が、都市部の渋滞緩和(それに伴う排出ガスの削減)、効率性の向上、公共交通機関へのアクセス改善に寄与し、2035年までに英国で約3万8000人の雇用を創出すると見込んでいる。

今回の発表について、英国の自動車業界団体SMMTのマイク・ホーズ代表は次のように述べている。

「自動車業界は、英国の道路で自動運転車の使用を許可するこの重要な一歩を歓迎します。これにより、英国は交通安全と自動車技術の先駆者となるでしょう」

「自動運転システムは、交通事故の最大の原因であるヒューマンエラーを減らすことができるため、今後10年間で4万7000件の重大事故を防ぎ、3900人の命を救うことができます」

「自動車線維持システムのような技術は、将来のより高度な自動化への道を開くでしょう。こうした進歩は、英国が自動運転技術の開発と使用における世界的なリーダーとなる可能性を解き放ち、重要な雇用を創出すると同時に、地球上で最も安全な道路であり続けることを保証するものです」

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